10/05/27 19:40:34
Ｊ・フロントリテイリングが、大丸心斎橋店（大阪市中央区）などに導入した若い女性
向けのカジュアル衣料品売り場「うふふガールズ」が、“新百貨店モデル”として注目を
集めている。百貨店離れしている１０～３０代の集客に成功しているためだ。同社は神戸店
への導入も検討中だが、アウトレットや商業施設が集積し衣料品販売の激戦地区とされる
神戸で、どう差別化を図るかが課題とみられている。（末永陽子）
「間違いなく“うふふガールズ”効果」とほくほく顔なのは、大丸京都店の担当者。京都
市内の各百貨店は軒並み売上高が前年割れを続けているが、同店では、４月の売上高が２０
カ月ぶりに前年同月を上回った。
うふふ２号店が京都店にオープンしたのは同月２２日。１～２階に並ぶ２６ブランドは、
ファッションビルを中心に展開し、７千円台のワンピースや５千円台の靴など低価格が特徴
。開業時には若者ら約千人が列を作るなど反響は大きかった。
京都店によると、集客力は予想以上で、２０～３４歳の買い物客数は５割増え、売上高は
約４割も伸びた。広報担当者は「５５歳～６９歳が主要顧客だったが、店内で１０～３０代
の女性が目立つようになった」と話す。
１号店がある心斎橋店でも、３０歳前後の購買比率が１５％上昇したほか、全体の売上高
も前年比で２～３割増えるなど集客効果は明らかだ。
◇
百貨店では、テナントの店が売上高の約３０％をフロア賃料として支払うのが一般的。だ
が、うふふガールズのブランドに課した賃料は、１５～２０％という。若者向けブランドが
主に店舗展開するファッションビルは賃料が固定制で、３０％は高すぎると判断した。
賃料を抑え、商品価格の安い若者向けブランドを引き込むビジネスモデルはほかの百貨店
にも波及。高島屋大阪店では３月、５階に１０代後半～２０代前半を対象としたフロア「ｇ
ｏｋａｉ」を開業。賃料は２０％台という。同店は「百貨店ファンを育てるという、将来へ
の先行投資」と話す。
◇
若者の集客に効果をみせたうふふガールズ。一方、大丸京都店では、高級ブランドを買い
に来る中高年の客層から「店の品が落ちた」と残念がる声も出ているという。
神戸店も導入を検討しているが、周辺の旧居留地に並ぶ高級ブランド店との相乗効果で
集客する従来の戦略との兼ね合いが課題とみられる。山本良一・大丸松坂屋百貨店社長は「
各店の地域性を加味してブランドを選ぶ」と話す。
このほか、神戸では競合店も多い。大学教授らでつくる「大阪流通業界の近未来予想調査
研究会」によると、ここ５年で県内の商業施設（店舗面積３千平方メートル以上）は新たに
１２カ所増えた。既存のアウトレットなどでも増床が相次ぎ、若者向けの三宮ＯＰＡやマル
イ、ミント神戸も近接するなど、低価格販売の競争は激しい。
若者向けブランドが多い三宮ＯＰＡは「兵庫はすでに商業施設は供給過多。若者は流され
やすく、飽きやすいので、新しいブランドを常に探していかなければならない」と表情を
引き締めた。
ソース：神戸新聞
URLﾘﾝｸ(www.kobe-np.co.jp)
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