10/05/04 09:23:29
外国為替証拠金取引(FX)を扱う市場「くりっく365」で、取引を仲介する証券会社が
取引手数料を値下げし始めた。8月からFX取引の規制が強くなり、客にかつてほどのもうけを
アピールできなくなるため、割安な手数料で他社との違いを出す狙い。
証券大手の大和証券は2月、1万ドルや1万ユーロなどを売ったり買ったりするたびにかかる
手数料を168円から52円に値下げするキャンペーンを始めた。対抗したのが、「業界最安値」
をモットーにしてきたインターネット専業の岡三オンライン証券。3月、取引に使う口座を新しく
開いた客の手数料を36円にするキャンペーンを始めた。
ここから値下げ競争が激しくなった。岡三オンラインが追随したのを受けて大和は35円、さらに
岡三オンラインが34円にと、両社が1円ずつ値下げを計6回発表し合った。今では「業界最安値」
は5月7日からの岡三オンラインの30円になった。
値下げ競争の背景には、8月からのFX取引の規制強化がある。FXはわずかな証拠金で何十倍、
何百倍もの海外通貨の売買ができる。多額の損失を被る恐れがあるため、金融庁がその倍率の
上限を50倍に制限することになった。
大きな倍率のFX取引はFX会社を通じた相対取引が中心だった。規制強化でかつてほどの高倍率
の取引ができなくなり、投資家は「くりっく365」のような市場取引で決まる価格の透明性や
信頼性に注目する、との見方が証券会社には多い。このため、大和の担当者は「今は収益を無視
しても、投資家のすそ野を広げる方が先だ」。岡三オンラインの新芝宏之会長も「客のニーズが
あるからやっている」と引かない構えだ。
ソース
URLリンク(www.asahi.com)