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川崎重工業(神戸市中央区)は2010年度、自社で開発した大容量ニッケル水素蓄電池「ギガセル」事業を本格化させる。
鉄道会社の蓄電設備向けに初受注を確保する見込み。
次世代路面電車「スイモ」向けに加え、自然エネルギーを使った発電設備への採用を狙う。
ギガセルの用途拡大を進めることで量産開始を目指す。
従来のニッケル水素電池は構造上、高速で充放電する際に生じる熱の放出が難しく、大容量化に限界があったが
川重は独自に構造を改良することで、大容量化と高速充放電を両立させた。
07年には、鉄道会社の蓄電施設にギガセルを使った実証実験に、車両メーカーでは初めて成功した。
同施設は、車両がブレーキをかけたときに発生する電力を蓄え、多くの車両が走るラッシュ時などに再利用することで
電力使用量を削減する役割がある。
また、停電時には、蓄電設備から電力を供給し、空調や照明を維持したまま低速で最寄り駅まで運行できるという。
川重は現在、複数の鉄道会社で実験を進めており、10年度内に数件の受注を見込んでいるという。
一方、次世代路面電車も海外の自治体から引き合いがあるほか、出力の変動が大きい風力、太陽光など再生可能
エネルギーの発電でも、出力を安定化させる用途でギガセルの需要が見込める。
同社は今後、需要動向を見ながら、量産開始時期などを詰める。
▽ソース:神戸新聞 (2010/04/24)
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