10/04/17 11:20:57
>>1のつづき
不況期には増税、好況期には減税を
自民党政権下では、景気が悪化すれば所得減税や公共投資などの景気刺激策を打つことが
慣例だった。
これに対し小野氏は「景気が悪くなると人々はお金を使わないので、増税して政府が事業
を行い、人を雇い、増税分は直ちに国民に返すべきだ」と主張。「今までは逆だったために、
景気の波を大きくした」と指摘する。一方で「民間がちゃんと物を買い始めたら減税すると
確約すれば、民間は一生懸命、買うかもしれない。そうしたら、それで景気が良くなる」と
の考えを示した。
菅副総理も12日の講演で、デフレの解決のため、「場合によっては増税をしても、使う
道を間違わなければ景気が良くなると考えている」と述べ、事務方に検証させていることを
明らかにした。
小野教授は増税する税目について「私は所得税増税を主張している」と述べ、「なぜかと
言えば、所得税の方が累進的なので、消費性向の低い高所得者層から税金が取れる。さらに
低所得者層が受け取ったお金を消費に回せば、高所得者の所得にもなる」と説明。所得税の
最高税率は「今は4割だったが、昔は7割だった。小泉政権の実態は所得の高い人にお金を
渡しただけだった」と述べ、「最高税率は上げても良いと思う」との考えを示した。
政府支出の対象としては「必需品は皆が買っているので、それを政府が買えば、これこそ
クラウドアウト(締め出し)が起こる」と述べ、そういう目で見て環境、介護、医療は良い
のではないか」と指摘。また、環境税を創設し、その税収分を全部エコ製品のポイントの
補助金に充てる制度を作れば、「今までの機能に加えた環境製品が売れる」と述べ、全体と
して消費者の負担も増えないと述べた。
内需拡大で円安に
為替相場と日本経済の関係については「完璧に円安の方が良い」との見解を示し、「円高
が経済力の証拠という考えは全くの間違え」で、高度経済成長期の経験に基づくものだと
説明。
一方で「今は1ドル=93円ぐらいだが、もっと(円安に)行っても不思議ではない」と
述べ、新しい政策で内需拡大を実行すれば「もっと円安になるだろう。そうすると日本企業
は競争に勝ってくる」との見方を示した。
取材協力:日高正裕、下土井京子 --Editor: Norihiko Kosaka, KazuHirano
-以上-