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一歩前進か
* 久々の「朝まで生テレビ」
4月30日の深夜、久しぶりにテレビ朝日系の「朝まで生テレビ」を視た。特にこの番組にチャンネルを合わせたわけではないが、
たまたま目が醒めたら放送が流れていたという具合である。ただ途中しか視なかったので、全体を通した議論を正確には説明できない。
もっともこの番組は、昔から、出演者が勝手に自分の意見を述べるというのがスタイルで、一つの結論を出すというものではない。
まず出演しているパネラーが以前とかなり変わっていた。若手の政治家や高橋洋一氏、そして堀江元ライブドア社長などが出ていた。
筆者が視たのは、日本の財政が問題になったところであった。
これまでは、このようなテーマになると、日本の公的債務がGDPの180%以上もあり、いつ破綻してもおかしくないという議論になったものである。
ところが驚くことにこの日は誰もそのようなことは言わない。むしろGDPの180%の公的債務ということが事実に反しているという話になった。
これは財政当局による数字の操作というのである。
出席者の誰か一人がこれを言ったのをきっかけに、これに同調する者が次々と現れた。10人くらいのパネラーのうち、4名くらいは同様の発言をしていた。
特に高橋洋一氏は「私の試算では、実際の日本の公的債務のGDP比率は60%程度であり、欧米の先進国と遜色がない」と発言していた。
しかしこの発言を否定する者は皆無であった。
ところでこのような意見は、本誌が10年以上も前からずっと主張してきたことである。筆者としては「やっとテレビの深夜枠では同様な主張が出てきた」
という感じであった。ただ繰返しになるがこの番組は、一つの結論を構築するというものではない。
「日本の財政に特段の問題がないのなら、デフレ克服のためには積極財政を展開しろ」といったような次の議論には発展しないのである。
いつの間にか番組の議論は「日本経済を活性化するためにはベンチャー企業を排除するな」というものにすり変わっていた。
議論が核心に近付くと、途端に話が関係のない方向に進むという相変わらずのパターンが続いているのである。
それにしても日本の財政に関する論調も変わったものである。
ところで、今日、ギリシャの財政危機が話題になっている。予想通り「日本の財政はギリシャより悪い。日本もいつ同じ状況になっても不思議はない」
という話がよくマスコミに出ている。この後には必ず「だから日本は増税が必要」とか「一段の歳出カットを行うべき」といったセリフが続く。
筆者に言わせれば、これは一種の脅しである。たしかにこれまでは、このような脅しに効果があり、これによって世論が影響されてきた。
デフレ対策のための財政支出拡大を主張する政治家に批難が集まり、財政支出のカットを主張する政治家がもてはやされてきた。
ところでギリシャの財政問題騒動が市場に動揺を与えている。筆者は、少なくともファンドの決算(6月末でファンドを解約する場合の期限)である
今週末までは、市場は波乱含みと見ている。またギリシャ問題が、また日本の財政再建論議にどのような形で飛び火してくるかを注目している。