10/04/16 01:30:17
世界は日本への好意を失い、日本は外国に対する好意を失った。
この国の効率の高さや素晴らしい料理、優れた美的感覚などを熱く語る親日家に会う時を別にすれば、
最近は日本に言及しても、怪訝な表情をされたり、あくびをかみ殺されたりするのがおちだ。
投資家は日本のことを、自分たちが普及させようとしている株主価値という概念に抵抗する国、
また、株価が1990年の4分の1の水準に向かって上昇することが「強気相場」とされる国だと見なしている。
日本に対する関心がひどく薄れたことから、東京のある証券会社では、
顧客に読んでもらえる確率を高めるために投資リポートのタイトルから「日本」という文字を外すことまで考えたという。
日本への関心を失う世界、外の世界を遠巻きに眺める日本
片や、最近の日本はいくぶん憂鬱そうな様子で遠巻きに外の世界を眺めている。
細かい規制に束縛されない市場資本主義という荒っぽい概念を丸呑みしなかったのは正解だったと胸をなで下ろす一方、
日本が輸出依存型経済であるために、結局は無茶な経済運営をしていた競合国よりも厳しい不況に苦しむことになってしまったと落ち込んでいる。
台頭著しい中国がずっと以前に外交的・地政学的な面で日本を凌ぐ大国になったことや、
世界第2位の経済大国の座まで近く日本から奪っていくことも、不安を抱きながら渋々受け入れている。
かつての植民地である韓国には、妬ましい気持ちすら抱いている。
韓国は産業面で日本に急速に追いつきつつあり、グローバル化がもたらした変化に日本以上に適応できる社会であることが概ね明らかになったからだ。
国内では、無愛想な自民党から野党がついに政権を奪取してからわずか8カ月にして、幻滅感が広がっている。
当初は現代の明治維新だと期待する向きもあった政権交代は、結局、それほど活力を生むものではなかった。
最近では、「革命」のリーダーである鳩山由紀夫首相がいつ辞めるのかといった話すら出始めている。
デフレに諦観
経済面でも明るさは見えない。
今週は与党内にインフレ目標の導入を支持するグループが結成されたにもかかわらず、
この国の指導者たちはデフレを甘受するしかないという諦観を強めている。
確かに、15年間にわたる断続的な物価下落が一部で予想されていた危機の引き金を引くことはなかった。
だが、名目GDP(国内総生産)の減少は、日本の相対的な経済力低下を加速させた。
もっとも、こうした現状に反する重要なトレンドも見受けられる。
かつて帝国陸軍がアジア諸国を蹂躙した時代を除けば、ある意味で、日本がこれほど世界とつながっていることも珍しい。
まず、日本企業は自分たちの未来が海外にあるとの結論に至った。
野村証券はグローバルな投資銀行になるために、売りに出されたリーマン・ブラザーズのアジア事業と欧州事業を手に入れた。
第一三共も海外市場開拓を狙って、インドの製薬大手ランバクシーを大胆な(つまり割高な)条件で買収した。
海外における日本文化の影響も、かつてないほど強まっていると言っていいだろう。
>>2に続く
ソース:JBpress
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ソースのソース:FT.com(記者注:記事を読むにはログインが必要です)
Japan's splendid isolation may be at risk
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