10/04/01 13:09:43
新聞広告の大幅な落ち込みが続く中、大手紙が地方紙に印刷を委託するなどの
コスト削減策が進んでいる。さらに、本来はライバルであるはずの朝日と読売が
地方で記事交換の取り組みを始めた。それに伴って、編集部門の人減らしも加速
しそうだが、専門家からは「取材拠点の削減は、質の低下に直結する」と、
懸念する声もあがっている。
2010年3月に電通が発表した「日本の広告費」によると、09年の新聞広告費は6739億円で、
前年比で27.6%も減少。販売部数も落ち込みが続いており、新聞各社の経営状態は厳しさを
増している。それにともなって、生き残りに向けた動きが活発化している。
■輪転機の相互利用が進む
まず目立つのが、新聞社間での輪転機の相互利用だ。例えば2011年春をめどに、
中日新聞社の金沢市の工場で、北陸地方向けの朝日新聞を印刷する一方、川崎市内の
朝日新聞社系の工場では、静岡・神奈川県向けの東京新聞を印刷することになっている。
また、新潟日報社(新潟市)は、新潟県内向けの日経新聞の印刷を受託しているほか、
読売、朝日、毎日の3社とも、同様の話がまとまっている。発行エリアが重複する
ライバル紙同士でも例外ではなく、西日本新聞社(福岡市)は2010年4月から1年間、
輪転機の一部を佐賀新聞社(佐賀市)に貸し出すことになっている。
そんな中、記事を出稿する編集部門でも、様々なリストラ策が進んでいる。最も業界内で
波紋を広げたのが、毎日新聞社が4月1日から共同通信社に再加盟して国内ニュースの
記事配信を受けることだ。毎日新聞は一部の共同加盟社からも記事配信を受けることに
なっており、その影響で、記者が1人で勤務する「通信部」や「駐在」といった取材拠点
数十か所を廃止する方針が打ち出された。
県境をまたいで競争を切り広げてきたはずの中国新聞社(広島市)と山陽新聞社(岡山市)も、
10年1月4日から、1 日あたり数本の記事交換の取り組みを始めている。両社とも、隣県に
駐在する記者の人数については見直す方針だ。
※続く
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