10/03/26 22:09:00
米シンクタンクの経済政策研究所(EPI)は23日、中国の貿易慣行と為替政策により、
2001─08年に米国で最大240万人の雇用が失われたとする報告書を公表した。
同報告書でEPIは、中国の「為替操作」が米国の対中貿易赤字拡大の主な要因となって
いると指摘。中国のその他の慣行も米国の赤字を拡大させているとした。
EPIのエコノミストで同報告書を作成にかかわったロバート・スコット氏は声明で、
中国当局による介入が最大の問題であると指摘し「こうした介入により人民元相場が人為的に
低く抑えられ、これが実質的な輸出補助金となっている」と批判した。「中国が人民元の実質
相場を少なくとも40%上昇させ、貿易をゆがめる他の要因を取り除かない限り、米国の
貿易赤字の急拡大と失業率の急上昇は続く」とした。
米国の対中貿易赤字は、08年には過去最大の2680億ドルと、01年の830億ドルか
ら急拡大した。ただ09年は、金融危機により貿易量が世界的に急減したため、2億2600
万ドルに縮小している。
EPIは報告書で、為替政策の他に米国の貿易赤字を増大させている要因として、中国が
「大規模な」産業補助金を支給していることや、労働と環境に関する法律を厳格に適用してい
ないことに加え、知的所有権の侵害や市場参入を阻む障壁が存在することを挙げた。
対中貿易赤字拡大により、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した01年末以降、米国で
失われた雇用は240万人に上ると推計。「コンピューター、電子機器、電子部品の各産業で
対中貿易赤字が最も拡大した。01年から08年の間に失われた雇用の26%に相当する62
万8000人の雇用がこれらの産業で失われた」とした。
米財務省は4月15日に、半期に1度の主要貿易相手国の為替政策に関する報告書(為替政
策報告書)を公表する。米議員からは中国を為替操作国と認定するよう圧力が高まっているが
、オバマ大統領はこれまで中国を為替操作国とは認定していない。ブッシュ前大統領も認定し
なかった。
ソース:Reuters
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