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アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国は、政府系持ち株会社ドバイ・ワールドに最大95億ドル
(約8750億円)の新たな資金を注入する。また、ドバイ・ワールドは最長8年をかけて債務を返済する案を
債権者らに提示した。
政府のドバイ・ワールド向け金融支援はこれで200億ドルになった。ドバイ・ワールドは昨年11月、
すべての債務について返済を今年5月まで延期する方針を示し、市場を揺るがせた。
A/Tキャピタル・マネジメントのポートフォリオマネジャー、アリ・タキ氏は「ドバイの構造問題を
解決する正しい方向の一歩だ」と評価。業者には代金が支払われ、未完成プロジェクトが作業を再開するため、
「ドバイ経済への最終的な影響はプラスになるだろう」との見方を示した。
ドバイ・ワールドは、235億ドル規模の債務の再編について債権団と交渉している。この日の発表によると、
2009年12月31日時点の債務はドバイ政府に対するものを除き142億ドルだった。
ドバイ最高財政委員会(SFC)のアハメド委員長は声明で、「再編プロセスは実施に数カ月かかる」との
見通しを示した。債権者の承認が再編の条件となるとも述べた。
同委員長によると、政府はドバイ・ワールドに15億ドルを拠出するほか、89億ドルの債権を株式に転換する。
傘下の不動産開発会社ナキールには80億ドルを注入するとともに、12億ドルの債権を株式化する。
発表によれば、ドバイ・ワールドは新たに発行する5年物と8年物の債券によって債権者に額面の全額を
返済する。再編責任者のエイダン・バーケット氏は25日、新発債の利率はまだ決まっていないと述べた。
新発債には政府保証が付かないが、発表済みの政府支援で十分に返済が可能だろうと述べた。
資産を売却する必要性にも迫られていないとし、「適切な時期に適正な価格で」売却する方針を示した。
ナキールの債権銀行には商業レートでの債務再編を要請、取引先の債権者には現金と市場で売買可能な
証券での支払いが提示される。再編計画に十分な賛成が集まれば、2010年と11年償還の同社のイスラム債は
期限通りに償還されるという。
ドバイ・ワールドが持つもう1社の不動産会社、リミットレスは政府発表の再編計画には含まれず、
債権者と独自に交渉する。
ドバイ・ワールド向け債権を持つ銀行は90行以上。バンカーらによれば、債権額が最大の7行、
HSBCホールディングスとロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)、
ロイズ・バンキング・グループ、スタンダードチャータード銀行、三菱東京UFJ銀行、エミレーツNBD、
アブダビ商業銀行が、債権団を代表して交渉に当たっているという。
ナキールの2011年償還債は額面1ドルに対して29.5セント上昇の94.375セントを付け、ドバイ債を保証する
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドは53.8ベーシスポイント
(bp、1bp=0.01%)低下し368.9bpを付けた。
ソースは
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)
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