10/03/23 00:32:16
成田空港の年間発着枠が28日から、現行より2万回多い22万回となる。
さらに30万回への拡大を目指して地元との協議も進む。韓国・仁川(インチョン)との競争に加え、羽田を優先整備する構想も
浮上する中、「国際拠点(ハブ)空港」の地位確立に新たな戦略が求められている。
成田空港第2ターミナルビルで今月、新規就航するエミレーツ航空(アラブ首長国連邦=UAE)、マカオ航空(マカオ)の
事務所が相次いで開設された。経営破綻(はたん)した日本航空の関係事務所の撤退で、空室が目立ったビルが活気づいた。
成田2本目のB滑走路が昨年10月、2500メートルに延びて大型機発着が可能に。誘導路増設もあって増枠が実現した。
増枠2万回のうち1万6000回は埋まった。国際線は、新規と増便で9400回。目玉は、急激に経済成長したペルシャ湾岸への
直行便で、UAEのドバイとアブダビ、カタールのドーハへ週17便が飛ぶ。
成田国際空港会社(NAA)の関係者は、昨年11月にUAEの政府系企業が危機に陥った「ドバイショック」に肝を冷やしたが、
その後もドバイ空港が利用客を維持しているのを確かめて一安心。予約は好調といい、森中小三郎・NAA社長は「日本は
石油を中東に依存しており、ビジネス路線として期待できる」と強気だ。
もう一つの柱は、地方からの国際線乗り継ぎ客のための国内線充実。既存8路線のうち小松、広島線などで増便し、全体では
6600回多い2万1000回となる。路線数倍増も目指す。
しかし、ライバルの存在感は増すばかり。仁川空港の発着実績は成田と同じ約20万回だが、発着枠は41万回。最短の
国際線乗り継ぎ時間は45分と成田の60~90分より短く、成田、中部、関西を除く日本の25地方空港に路線網を張る。
着陸料は、成田の3分の1程度だ。NAAは民営化後の2005年に平均21%の着陸料値下げをしたが、まだ高い。
羽田は今年10月の第4滑走路完成で国際線が1万回弱から6万回に飛躍。路線は近距離限定から北米、欧州にも広がる。
さらに前原国土交通相が昨年10月に「国際線は成田、国内線は羽田」の原則を廃止し、羽田を24時間のハブ空港として
優先整備する考えを示した。成田側も理解を示した「成田、羽田の一体運用」から踏み込んだ発言で、成田の地位は揺らいでいる。
(>>2に続く)
◎ソース:YOMIURI ONLINE
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