10/03/17 15:00:04
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「財布を落としても定期は落とすな」「電車に乗らず自転車で浮かす」--。
日々の生活の足なのに「運賃が高い」と、沿線住民から恨み節が漏れる鉄道がある。
千葉県内のベッドタウンを走る北総線などの現状から、専門家は
「運賃設定に消費者の視点が欠けている」とも指摘している。
◇並走私鉄の倍額も 利用低迷で悪循環に
千葉ニュータウン(千葉県印西市など)と東京都心を結ぶ「北総線」(京成高砂-印旛日本医大、
32・3キロ)。
京成電鉄の子会社「北総鉄道」が運行し、割高な運賃が問題になってきた。
例えば、並走する京成本線の京成高砂-京成船橋(12・4キロ)が250円なのに対し、
ほぼ等距離の北総線の京成高砂-新鎌ケ谷(12・7キロ)は2倍以上の570円。
千葉ニュータウンに住む主婦(45)は、高3と中2の息子2人の定期代に月4万1300円を支出し、
「学費より通学定期が高いなんて。子ども手当が出ても、定期代に消えます」と話す。
県立船橋高1年の男子生徒は本来、北総線・白井駅から東武野田線・船橋駅まで、2鉄道を乗り継いで
通学するが、北総線の区間約5キロは自転車で移動し定期代を節約している。
北総線の2駅分が370円かかり、東武野田線の5駅分190円と比べ、割高感が強いという。
北総鉄道によると、用地取得や鉄道敷設費に対し利用客が伸び悩み、単年度は黒字だが、
債務超過状態という。そもそも千葉ニュータウンが当初の計画人口34万人(その後
約15万人に下方修正)に対し、現状は約9万人で、北総線の利用低迷につながっている。
今年7月には、京成電鉄の「成田空港線」(京成高砂-成田空港、51・4キロ)が開業予定。
うち約32キロは北総線と重なり、実質的には北総線の延伸だ。
「北総線の運賃値下げを実現する会」の吉田治男会長(62)は「延伸すれば、列車本数も利用客も
増え、京成本線並みの運賃になるだろうと期待していた」と話す。
しかし、7月からの北総線の運賃値下げは4・9%で、京成高砂-千葉ニュータウン中央で
現行760円が720円に下がる程度。
その値下げも、千葉県や沿線自治体が計3億円を補助することで実現した。
吉田会長は「わずか30~40円の値下げで、高い運賃体系が固定化されるのは納得できない」と訴える。
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-続きます-