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文字通り、収穫する(ハーベスト)機械である。これに、丸太になった木を土場まで運ぶ機械(フォワーダ)と組み合わせれば、
この2台で木材生産すべての工程を処理できる。これが、最も生産性が高いシステムである。
この2台の機械の組合せがオーストリアの現場で実際に動いているのを初めて見た時、昭和30年代の3輪トラックが走り回っていた時代から、
メルセデスベンツがアウトバーンを200キロメートル超で疾走する現代に、一気にタイムスリップしたかのような衝撃を受けた。
そこでは、機械が直接林地に入っており、しかもそれが傾斜地での作業だったからだ。
そもそも日本には林地に直接入れる機械は存在しておらず、ましてや、傾斜地で作業できる機械など、想像すらしてなかった。
さらに現地で聞いて驚いたのは、生産性だった。1日当たり機械2台、2人作業で100立方メートル以上だという。日本では4人がかりで1週間はかかる量だ。
日本には林業専用機がない
林地を走り回るには、でこぼこやうねりに合わせて機械がはうような構造とならなければならないし、切り株を乗り越えるには、一定以上の最低地上高がなければならない。
また、機械は重い木を持ち上げて振り回したりするので、アームを振り回してもバランスを崩さないことが大事である。
欧州の機械は、このような林業機械に要求される性能要件をすべて満たすように設計されている。
例えば、上述の機械はともにホイールベース式で林地走行性能に優れているし、ハーベスタはタイヤの中に水を入れてバランスを安定させるなどの工夫も徹底している。
また、アームも細く軽いため、狭い林地で振り回しやすい設計になっている。
これと比べると、日本のハーベスタ、フォワーダはいずれもキャタピラ式である。
ハーベスタは建設機械を、フォワーダは土木現場で土砂などを運搬する不整地運搬車をベースマシンとして使っているためである。
建設機械は土木現場で、静止状態で使うことが基本で、林地を走行することなどもともと想定されていない。
林地に入っても切り株は乗り越えられないし、うねりがあれば車体が傾いて危険極まりない。
また、アームも太く重いので、木を持ってアームを振り回すとバランスを崩しやすく、危険である。
フォワーダも運搬車とはいえ土木現場用であるので、林地走行ができないことに変わりない。
また、土砂などの運搬を想定した機械であり、丸太の運搬には向いていない。
というのは、キャタピラ式はその構造上、全長が短く、丸太を乗せると重心が後ろに異動してバランスを崩してしまうからだ。
特に上りは危険である。このため、丸太は荷台の半分しか積載できないとされているほどである。