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経済・金融市場分析や中長期的予想を手掛ける武者リサーチの武者陵司代表(60)は、米国経済が驚異的な強さで拡大
すると予測した。これが今年最大のサプライズになり、この考えを基本にすべての投資戦略を練るべきだと提唱した。
元ドイツ証券副会長の武者代表は9日の都内の講演で、世界経済の鍵を握る米経済を評価するため、まず米企業経営者の
先行きへの認識の把握が必要だと指摘。企業経営者は企業の在庫、雇用、設備投資、バランスシートの4つのデータに基づき
資金を前向きな投資に振り向けようとしており、「米経済は回復の入口にある」と判断した。
このため政策金利は米国が上げ方向、日本は下げ方向になると分析、円キャリートレードにより「相当の勢いで円安になる」と
予想した。円相場は1980年代後半から常に購買力平価を上回る円高で、経済論理では説明できなかったと指摘。背景には
日本の異常な競争力を封じ込める力があったが、中国の台頭でこうした力がなくなるとも予測した。
武者代表は、円安進行を前提に日経平均は当面1万4000円までの上昇余地があるとの認識を示し、中期的には2万円は
超えると予想した。日本企業はバブル経済崩壊後の20年間にコスト削減とグローバル化を急速に進めたと評価。
1ドル=115円程度まで円安が進めば「この成果の花が開く」と述べた。
米国の2009年第4四半期(10-12月)実質国内総生産(GDP)は年率5.9%増と、速報値(5.7%)から上方修正された。
今後の経済のポイントとなる労働環境についてモルガン・スタンレーのデービッド・グリーンロー主任債券エコノミストは9日
3月の米雇用者数が4年ぶりの30万人増える可能性があると指摘している。
武者代表は09年6月末にドイツ証副会長を退任、幅広い顧客に調査リポートなど情報サービスを提供したいとの意向から
武者リサーチを立ち上げた。現在はドイツ証券やドイツ銀行のアドバイザーも務める。武者リサーチはドイツ証券と
情報提供契約を結んでいる。
▽ソース:ブルームバーグ (2010/03/10)
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)