10/03/12 17:32:49
為替市場で、中国が2008年夏以降続けてきた「米ドルペッグ制」を近々取りやめ、
人民元の実質的な切り上げを実施するとの予想が広がっている。中国がドルペッグ制を放棄
すれば、国内景気の過熱抑制に効果的なうえ、ドル買い介入の必要がなくなり、ドル資産
保有リスクを軽減するメリットもある。
実際に人民元が対ドルで切り上がれば、円高をもたらす可能性も指摘されている。
国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は9日、人民元について「依然非常に
過小評価されている」との見方を示したうえで、国内成長重視から「数カ月以内に変化が起こ
る可能性がある」と予想した。
人民元安を背景に「世界の製造工場」としての地位を確立した中国が、元高を許容し、内需
主導の経済にスムーズに移行できるのか、政権の安定性との関連でも注目される。
<二兎は追えない中国>
米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は、中国が人民元と米ドルの実質的ペッグ制
を維持する限り、米国の資産を買い続ける可能性が高い、との見方を示した。
中国は米ドルペッグによる交易上のメリットを最大限に享受してきたが、元安の恩恵とイン
フレなき持続的経済成長という「二兎を追う」ことは、大国でも困難だ。
「中国当局はこのところ不動産バブルの行き過ぎを警戒し、貸出の増加ペースにブレーキを
かけているが、その一方で増加する外貨準備が、逆に金融緩和の役割を果たしている」と
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏は言う。
中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の劉明康委員長は11日、中国の大手銀行に対し、
与信拡大に伴うリスクを避けるため、今年は融資のペースを均衡させるよう求めた。しかし、
融資規制が効果を上げるためには、別の蛇口を閉める必要がある。
「中国は依然として大きな経常黒字を出しているが、ドルペッグ制を採用していることから、
為替水準を維持するため外貨買い/元売り介入を余儀なくされ、この元売りがマネーサプライ
の増加要因となってしまう。一方では貸出抑制をしながら、介入によるマネーの供給を増やす
という矛盾が生じている」と斎藤氏は指摘する。
この矛盾を回避し、バブルの抑制を図るためには、「自然体で元の上昇を放置し、為替介入
を止めることだ」と同氏は言う。
中国人民銀行(中央銀行)が11日に発表した2月のM2マネーサプライは前年比+25.
52%、M1マネーサプライは前年比+34.99%と高い伸び率を示している。
ソース:Reuters
URLリンク(jp.reuters.com)
関連スレ
【経済政策】中国、IMF資産の構成通貨に「人民元加入を」…主要国への打診が明らかに [03/05]
スレリンク(bizplus板)