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>>1のつづき
<クローリング・ペッグ制と円高>
中国政府系シンクタンクの社会科学院・世界経済政治研究所は、人民元を事実上米ドルに
ペッグする現行制度は持続不可能とした上で、通貨バスケットにペッグする方法や、再度大幅
にレートを修正する方法を含めて検討中であるとした。
為替市場では、人民元の対ドル切り上げは、円高につながると見る向きが多い。
ただ、市場では、クローリング・ペッグ制の採用を含めて、あくまでも穏やかで段階的な
人民元切り上げを予想する見方が大勢だ。
「ドラスティックな切り上げは国内外にとってメリットに乏しい。緩和的な金融政策を
維持しつつ、景気をオーバーキルしない程度の人民元切り上げの可能性はあるとみている」と
三菱UFJ証券・クレジット市場部・為替課長の塩入稔氏は語る。
「円相場への影響については明確な理論は存在しないが、金融機関の準備預金率引き上げの
際に中国株安、リスク回避の円買いの流れとなったので、同じような一過性の反応があるかも
しれない」と塩入氏は言う。
ただし、「(中国当局が)本腰を入れて景気過熱感を取り除くという姿勢がみられた場合に
は、為替相場への影響も一過性では終わらないだろう」と同氏は続けた。
中国人民銀行(中央銀行)は昨年11月に発表した貨幣政策報告のなかで、資本フローの
変化や主要通貨の変動に基づいて人民元為替相場メカニズムを改善する方針を示し、2008
年半ばから続くドルペッグ制を変更する可能性を示唆した。
また、人民銀行は2005年7月の元切り上げ以降、同報告で、人民元相場については
「妥当で均衡の取れた水準で基本的な安定を維持する」との考えを繰り返し表明してきたが、
11月の報告からは同表現が消えた。