10/03/12 13:30:37
携帯フィルタリングサービスにおいて、コミュニティ機能を持つSNSなどが、
再び一律的に遮断されてしまうのではないか―。
東京都議会で審議中の青少年健全育成条例の改正案に関連して、SNS「mixi」を運営する
株式会社ミクシィが懸念を示している。
今回の条例改正案では、インターネット事業者やフィルタリングソフト事業者が提供する
フィルタリングソフト/サービスついて、「青少年がインターネットを利用して自己
若しくは他人の尊前を傷つけ、違法若しくは有害な行為を行い、又は犯罪若しくは被害を
誘発することを容易にする情報を閲覧する機会を最小限にとどめるものとなるように
務めなければならない」との規定を加えた。
特に厳しいことを言っているようには見えないが、事業者にこのような責務を課すことに
した背景には、東京都青少年問題協議会による提言がある。
同協議会が1月にとりまとめた答申「メディア社会が拡がる中での青少年の健全育成に
ついて」では、第三者機関(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構:EMA)による
“健全サイト”認定を受けた「mixi」などのコミュニティサイトでも、これを利用した
ことに起因して青少年が犯罪に巻き込まれるなどの被害やトラブルが発生していると
指摘。保護者の立場からは、“健全サイト”としてフィルタリングの対象外となって
いることに対して疑問の声もあるとして、「望ましいフィルタリングの水準に関する
規定を条例に盛り込むなどして、フィルタリング開発事業者及び第三者機関に対して
注意喚起を行う必要がある」としていた。
また、「第三者機関による認定の有無のみにとらわれず、コミュニティ機能を有した
サイトについてはフィルタリングにより遮断することを基本とし、第三者機関認定サイト
の中で保護者が閲覧しても良いと判断したサイトについてのみ、後から閲覧可能に設定
できるような仕様にすることについて検討するよう、携帯電話事業者に対して要請して
いく」ことを提言していた。
協議会がコミュニティサイト対策の強化を求めているのは、「出会い系サイト規制法」
による規制の対象外であるSNSやプロフサイト、掲示板などを介して青少年が福祉犯罪
被害に遭う事例が報告されているためだ。答申では、「mixi」や「GREE」など大手サイト
事業者10社に対して、警視庁が2009年2月~6月、「利用規約に違反して実質的に出会い系
サイト化しているコミュニティサイト等」の解消を要請したことを取り上げ、そのうちの
6社がEMA認定サイトであり、フィルタリングの対象外だったことを紹介している。
なお、この条項の新設の意図については、3月2日に行われた民主党・大沢昇議員の代表
質問に答えるかたちで、東京都青少年・治安対策本部長の倉田潤氏が「(青少年インター
ネット環境整備)法施行後も、フィルタリングにより除外されていないサイトを通じて
青少年が犯罪被害に遭う事例が見られることを踏まえ、関係事業者に対し、青少年の
被害防止に向けたフィルタリングの実効性確保に関する一層の取り組みを促すために
置くもの」(平成二十二年東京都議会会議録第二号〔速報版〕)と説明している。
※続く
◎ソース URLリンク(internet.watch.impress.co.jp)