10/03/09 20:24:02
関西空港旅客ターミナルビルで営業する店舗の撤退が相次いでいる。世界不況による航空
会社の路線縮小などで、旅客数が大幅に減り、利益を確保できなくなったからだ。現在、
ビル内の3店が空き店舗で、ハンバーガーチェーン「マクドナルド」も今月末の退店を決定。
危機感を強めたビル内の店長らは、店舗同士の提携サービスなど新たな集客対策に乗り出した。
1月中旬、全日空系の土産物店2店が、不採算を理由に同時閉店した。このうち1店は
空き店舗となり、「店舗改装中」の紙が張られた。昨年5、9両月には、1994年の開港時
から営業していた玩具店と飲食店が、相次いで店を閉めた。
ビル内には現在、飲食・物販など169の店舗があるが、関係者によると、マクドナルド
以外にも複数の店舗が退店を検討しているという。
最大の原因は、旅客数の減少。世界不況と新型インフルエンザの影響で、2009年の
旅客数は前年比16%減の1345万人。新型肺炎(SARS)の流行で過去最低だった
03年(1412万人)を下回った。この事態を受け、関空会社は「イベント開催や修学旅行
の誘致などで集客を図りたい」とし、社員にも、空港内で食事や買い物をするよう協力を
呼びかける。
一方、店舗側からは、「大阪の一等地並みに高い」(店舗関係者)とされるテナント料の
値下げ要望が強い。関空会社は一定の値下げに応じているが、3月期の連結決算で6年ぶりの
経常赤字が予想される厳しい事情もあり、大幅な値下げは難しいのが実情だ。
「『営業するほど赤字が出る』という悲鳴も出ている」と、テナント連絡協議会店長会の
本田幸治会長(56)。自らが経営するかばん店の売り上げは、ここ1、2年で3割減った。
国内線の縮小で、地方から海外への乗り継ぎ客の利用が激減。経費節減にも限界があり、
今年から新たに従業員を1人減らしたという。
こうした中、店長会は、店舗同士の提携サービスに力を入れる。
昨年末から、関空と神戸空港を結ぶ高速船「ベイ・シャトル」のチケットカウンターと
最寄りの喫茶店が提携し、乗船券を見せればコーヒーなどの割引が受けられるサービスを
始めた。
今後は、旅行会社と複数の店舗が手を結び、関空に到着した団体客に店舗の割引クーポンを
配るアイデアも検討。こうした旅行サービス部門と飲食・物販部門の提携は、これまでほとん
どなかったという。
また、店舗紹介のガイド冊子を簡素化し、関空会社のイベントに出す協賛金なども集客効果
に応じて見直し、より有効な使い方を模索する。
本田会長は「昔と違い、“待ち”の姿勢で売れる時代ではない。今後は、関空会社だけに
任せるのではなく、テナント自身も知恵を絞って魅力を高めたい」と話す。
ソース:YOMIURI ONLINE
URLリンク(osaka.yomiuri.co.jp)
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