10/03/07 13:11:57
■日テレとTBSが同じスタジオで番組を作ることも
テレビ業界再編の火ぶたが切られた。総務省は2日、通信・放送分野の法体系を
60年ぶりに改める法律案を公表した。
目玉は放送局への出資上限の緩和。台所事情が火の車のローカル局救済が狙いだ。
現在は「マスメディア集中排除原則」により、20%未満に規制している他局への
出資率を3分の1未満に緩和することを法案に明記。経営が苦しいローカル局は、
系列キー局や他局の出・増資を受けやすくなる。
リーマン・ショック以降、底なし沼の広告減でキー局の経営でさえ逼迫(ひっぱく)
する中、ローカル局は目も当てられない惨状だ。08年度は民放127社のうち、
60社が赤字を計上。09年度も半数以上が赤字となる見通しだ。
特に悲惨なのは、1県に4局以上ある北海道、東北4県、北陸・甲信越3県、静岡、
愛媛、広島、九州6県の17地域。旧郵政省が推進した「1県4波体制」の弊害で、
わずかな地方広告を4局で奪い合っているのが実態である。
「総務省がシャカリキで進める地デジ対策も重荷です。地デジ化に向けた設備投資は、
ローカル1局あたり54億円。大半が年間売り上げ100億円未満の各局にとって、
この減価償却費が大きな負担になっています。局内には“官製赤字”の恨み声が
あがっています」(ある地方局関係者)
このままローカル局がバタバタ潰れていけば、総務省は「失政」を問われる。今回の
法改正は、総務官僚が責任逃れでキー局にローカル局救済を押し付けている格好。
「面倒を見る余裕はない」というキー局への“お膳立て”も周到に用意してある。
「放送免許を得るには、放送設備の保有と番組制作とを一括して行うという高い
ハードルがネックでした。今回の改正では、その条件を撤廃し、番組制作のみ行う
事業者にも免許を与えるようにします。キー局とローカル局が共同で設備投資すれば、
どちらも負担は減る。ローカル局は番組制作に絞って資金を集中すればいい。倒産
リスクが減れば、その分、キー局も出資しやすくなります」(総務省関係者)
もちろん、日テレやTBSといったキー局同士が中継車やスタジオなどを共有化し、
各局ごとに番組を流すことも可能だ。経営難に苦しむキー局にとって負担軽減は、
渡りに船だろう。
民放関係者の間では「今回の法改正を最も歓迎しているのは、業界再編論者の日本
テレビの氏家斉一郎会長」と言われている。総務官僚の保身によって、テレビ業界は
一気に大再編時代に動き出しそうだ。
◎ソース
URLリンク(news.nifty.com)
◎関連スレ
【放送】政府、60年ぶりに放送法を抜本的見直しへ…通信と放送の融合目指し [03/05]
スレリンク(bizplus板)