10/03/05 21:59:56
中国の通貨当局が、国際通貨基金(IMF)の国際準備資産である「特別引き出し権(SDR)」の
構成通貨に人民元を加えるよう主要国に働きかけていることが5日、分かった。
ドル、ユーロ、英ポンド、円で構成されるSDRだが、実現すれば、人民元がより一層、
国際通貨に近づくことになる。
SDRは、IMFの加盟国が外貨準備不足などに陥った場合、IMFを通じてほかの加盟国から
外貨の融通を受けられる権利。
SDRの価値は4つの通貨の加重平均(バスケット)で定められ、
世界の貿易や資本取引に占める主要通貨の重要性が反映されるよう5年に1度、見直される。
今年はその時期にあたるが、国際金融筋によると中国の通貨当局は、
次回の見直しの2015年を念頭に人民元の加入を目指し、米英など主要国に意思表示しているという。
ドルを軸に世界最大の外貨準備を抱える中国は将来のドル安による外貨準備の価値下落を懸念し、
ドルに代わる新たな国際準備通貨としてSDRの活用を提唱している。SDRに占める地位は
「準備通貨」としての影響力の証しともいえるだけに、「ドルやユーロとの覇権争いに挑む通貨戦略」
(市場関係者)との見方も強い。
昨年来、中国は主な貿易相手国に対し、輸出入の人民元決済や外貨準備の人民元組み入れを
働きかけるなど、「ドル依存脱却」に向けた布石を打っている。日本が国際資本・貿易取引や他国の
外貨準備保有に円を広げるよう1990年代末に試みた「円の国際化」の経験についても、研究を続けているという。
ただ、SDRの加盟には今のところ中国が応じていない、資本取引の自由化が不可欠となる。
資本市場で中国が他国の通貨と自由に交換できるよう、外国為替市場への流動性の供給拡大や
金融システム改革が求められるのは、必至だ。輸出面の競争力維持を目的とする人民元の為替管理を緩和し、
対ドル相場を切り上げないかぎり、米政府が容認しない可能性もある。
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