10/03/03 23:05:18
高島屋大阪店(大阪市中央区)の婦人服担当バイヤー、中村良樹次長は昨年夏、ある社内
調査の結果に顔をしかめた。
《100人中、99人が「百貨店で服を買ったことがない」と回答した》
「高い」「欲しいブランドがない」という内容もさることながら、調査対象が大阪店に
勤める20代の女性従業員やその知人だったことは「身内(の従業員)ですら買わない」という
若者の百貨店離れの深刻さを象徴していた。
4年間の工事を終え、従来の約1.4倍にあたる7万8千平方メートルの売り場面積で2日、増床
開業する高島屋大阪店。中村氏らが企画した19~20代前半の女性向けファッション売り場
「gokai(ゴカイ)」は、関西最大級の大飲食店街や、19店を集めた一流ブランドゾーンなど
と並ぶ増床の目玉だ。
高島屋は20代のカード会員がこの5年間で半減、構成比は10%台に落ち込んだ。だが、通販
大手、千趣会のベルメゾン生活スタイル研究所が昨年実施した女性のファッションに関する
意識調査では、20代の衣料品に対する年間支出は8万6532円と、30代を上回る購買力を持つ。
「20代と真剣に向き合う売り場を作らないと、百貨店の将来はない」(中村氏)という危機感
は、他の百貨店にも共通する課題だった。
大丸心斎橋店(同)は昨年11月に開業した北館の地下1、2階の若い女性向けカジュアル
売り場「うふふガールズ」が好調。1月の同店売上高は前年比24%増と伸長し、今秋には“男
性版うふふガールズ”にあたるメンズ売り場を設置するという。
百貨店の中心購買層となる中高年世代を維持しつつ、低価格な若者向けブランドを導入する
のは、従来の売り場規模では困難をきわめる。戦略転換を促すきっかけは、増床や新館に
よる売り場面積の拡大だ。
来年以降、大阪の各百貨店が軒並み増床し、競争激化が予想される中、高島屋大阪店長の
増山裕常務は「先に増床開業し、ファンになってもらうのはアドバンテージ」とにらむ。
ソース
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