10/02/12 02:35:01
豊田家の御曹司である豊田章男氏の発言は、奇妙ながらも、問題をなかなか見事にまとめていた。
「Believe me, Toyota's car is safety(信じてください、トヨタの車は安全性なんです)」。
日本を代表するトヨタ自動車の社長はこう訴えた。
「But we will try to increase our product better(ですが、私たちの製品をもっと良いものに増やせるよう努めてまいります)」
英語がうまく話せないことを馬鹿にするのは、普通なら許されることではない。
しかし、米国でMBA(経営学修士)を取得した豊田氏に完璧な英語で謝罪する術が教え込まれていなかったという事実は、
今回のリコール(回収・無償修理)危機におけるトヨタの対応のお粗末さについて実に多くを物語っている。
日本では、謝罪は生け花や俳句と同様に1つの芸術である。
しかしトヨタは、2月5日に社長が持って回った表現で自らの責任を認めるまで、
顧客(その70%は日本以外の国に住んでいる)の懸念に対応できていなかった。
「日本株式会社」の転落との相似
トヨタの問題がスローモーションの玉突き事故のようにひどくなっていく様子を眺めていると、
1990年に日本株式会社そのものが起こした自動車事故、
つまり、かつて経営学の権威たちに無敵の存在と持ち上げられた経済モデルが谷底に転落していったドラマの続編を見ているような気になる。
当時は今と同様に、市場シェアを取らねばならないという強迫観念に駆られた企業が無理な事業拡大に邁進していた。
そして今は当時と同様に、日本企業の伝説的な取り組み―トヨタで言うなら「カンバン方式」や「カイゼン」―が欠点を覆い隠していた。
20年前の日本経済の背伸びと今のトヨタの苦難とを比較するのは、あまりフェアではない。
日本株式会社は結局「ナンバーワン」にはなれなかった。
だが、トヨタは本当に勝利を収め、ライバルの米国大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーを経営破綻に追い込んだ。
2008年には販売台数でGMを抜いて世界一になり、利益水準でも世界一の座に就いた。
米国の納税者がGMやクライスラーを気前よく支えていなければ、
トヨタは日本や韓国の一握りの自動車メーカーとともに、米国の大衆車市場を事実上独り占めしていたはずだ。
米国は経済の衰退に恐怖心を抱いており、それが今後、ただでさえ悪い状況を一段と悪化させるだろう。
連邦議会で今週予定されていたリコールに関する公聴会が延期されたのは、単に首都ワシントンが大雪に見舞われたためだ。
トヨタが安全性の問題に気づいたのはいつか、それを隠蔽した事実はないかといったことを明らかにするための公聴会は今月中に開かれ、
同社の経営幹部が質問攻めに遭うことになる。
弁護士たちは既に、数多く提起されると見られる集団訴訟の最終弁論の推敲に余念がない。
この流れを決定的にしたのは、レイ・ラフード米運輸長官の次の発言だった。
「問題の車種をお持ちの方々に対する私のアドバイスは、運転するのをやめることだ」。
この後に続いたコメントも不穏なものだった。
「トヨタに対する我々の調査はまだ終わっていない」
>>2に続く
ソース:JBpress
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)
ソースのソース:Financial Times(記者注:下記記事を読むにはログインが必要です)
How Toyota engineered its own downfall
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