10/02/07 18:48:47
会社更生法に基づき経営再建を目指す日本航空が1月以降、相次いで値下げを打ち出している。
ライバルの全日本空輸も対抗し値下げ合戦の様相だ。債権放棄や公的資金で支援を受ける日航
の値下げには、「不公平」との批判が強く、国土交通省は5日、異例の文書でクギを刺した。
ただ、「LCC(ローコスト・キャリア)」と呼ばれる格安航空会社が世界的に台頭する中、日航再生には
低価格戦略が不可欠との声が多く、板挟みで再建に早くも暗雲が広がっている。
日航は1月19日に会社更生法を申請した3日後、3年ぶりの「バースデー割引」復活を発表した。誕
生日の前後1週間の搭乗便を21日前までに予約すると、5人までの同行者を含め最大74%の割引
が受けられる。このほか、週末限定韓国便など立て続けに割引運賃を打ち出している。
日航の大西賢社長は1日の就任会見で、バースデー割引について、「パイを取り合う運賃設定ではなく、
日航に興味を示していなかったお客さまに訴求できる商品」と理解を求めた。
これに対し、全日空は1月27日に空席が多いほど安くなる新しい運賃体系を発表。2日後にはバース
デー割引を意識し、45日前に予約すれば、最大73%値下げする「スーパー旅割」を打ち出した。
さらに前原誠司国土交通相は2日の会見で、「公的資金を入れてダンピング競争に陥ることは厳に慎
まなければいけない」と牽制(けんせい)。「サービス向上やリストラ、子会社の整理を徹底的にやる中で、
再生を果たしてほしい」と、日航再建に注文を付ける異例の展開になっている。
これを受け、国土交通省も5日、「公的な支援を受けている日航が、いたずらに運賃引き下げを行うこと
は、市場の競争環境をゆがめるおそれがある」との異例の文書を出し、監督・指導する方針を表明した。
国交省が危惧(きぐ)しているのは、「短期的な引き下げに伴う旅客の奪い合い」により、日航再建が危
うくなるばかりか、全日空も疲弊し共倒れになることだ。
ただ、路線を自由に設定できる「オープンスカイ(航空自由化)」の進展で、航空会社を取り巻く環境を
厳しさを増すばかり。羽田、成田両空港の拡張で、日本にもアジアや米国で勢力を拡大するLCCが次
々に乗り込んでくる。「日航もLCCに生まれ変わらないと、再建できない」(アナリスト)との指摘は多い。
これまで、日本は“閉ざされた空”の中で、日航と全日空の大手2社体制を維持してきた。安値合戦を
抑制するだけでは、日航再生だけでなく、日本の空の将来像も描けない。航空行政そのものが試されて
いる。(米沢文)
■ソース
MSN産経ニュース( URLリンク(sankei.jp.msn.com) )[2010.2.6 19:03]
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