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四十代以上にとって、英語能力テストといえば「英検(実用英語技能検定)」だったが、
いまやTOEICに主役の座を奪われた感がある。なぜ変わってしまったのか?
「最大の理由は、TOEIC高得点者を就職や人事評価の面で企業が優遇するようになった
こと。また〇五年に検定資格認定制度が廃止され、英検に文部科学省の“お墨付き”が
なくなったことも関係しています」(就職雑誌記者)
ということは、英検はもはや風前の灯火?
「そんなことはありません。〇八年の受験者数を比較すると、TOEICが約百七十二万人
なのに対し、英検は約二百三十五万人でした。また、英検には通常の TOEICテストには
ないスピーキングとライティングのテストがある点も、国内外の専門家の間で評価されて
います(注:〇七年よりTOEICテストとは別に「TOEICスピーキングテスト/ライティング
テスト」が開始された)」(同前)
では英検のメリットは?
「英検取得の第一目標は英語力をつけることですが、現実的なメリットもたくさんあり
ます。たとえば、英検準一~一級を所持していれば一部の自治体の教員採用試験で優遇
されますし(〇五年度は二十六県九市)、欧米での就職や留学の際はビザ取得に必要な
語学力証明資格としても利用できます」(英検を実施している(財)日本英語検定協会)
この他、入試時の優遇措置もあるという。
「入試時に英検資格を優遇している高校は全国に八百九十校。大学と短期大学も合計で
五百七十九校(ともに平成二十一年度)あります」(同前)
前出の記者も続ける。
「私立高校の中には、英検二級所持で入試の点数に五十点以上加算してくれるところも
あります」
一方ではこんな意見も。
「国内には約五千の高校があります。つまり英検を優遇してくれる高校は、まだ一八%
以下。また優遇している高校が人気校や進学校とはかぎりませんから、あまり過度な
期待はしない方がいい」(英語教育に詳しい「Ineya.Inc」運営・湯浅浩司さん)
とはいうものの、英検二級は「中学生なら充分に取得可能」(前出記者)。藁にもすがる
受験生には“転ばぬ先の杖”か? (岡崎博之)
(週刊文春2010年2月11日号「THIS WEEK 語学」より)
◎ソース
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)