10/02/04 00:47:21
◆景気浮揚は日銀の仕事ではありません。
一向に好転する気配がない、日本の経済事情。デフレ・ファイター(by日本経済新聞社)と
言われる割に、どうも傍観を決め込んでいるように見える日銀。これって、一体どういうこと?
「デフレ退治はそもそも日銀の仕事ではありません。日銀の仕事は『日本円の価値を守ること
』。それ以上でも以下でもありません」(現役金融マン・ぐっちーさん)
インフレが起こると、通貨の価値は下がる。だから、日銀はインフレを阻止すべく行動する
。しかし、デフレの場合は、通貨の価値がどんどん上がる。となると、「デフレの今、日銀が
やるべき仕事はない」というのがぐっちーさんの見解。つまり、デフレ脱却&景気浮揚は
日銀の仕事ではない!?
「デフレ時に日銀が果たすべき役割は、せいぜい金融機関の信用を守ることぐらい。銀行が
倒産すると信用リスクが高まり、円の価値が下がる。こうした事態を防ぐべく、日銀はタダ
同然の金利で銀行にカネを貸す。これが『量的緩和』で『ゼロ金利政策』です」(同)
金融緩和の結果、金融機関はカネを手にする。が、その金融機関が個別の企業や個人に
貸すかは、また別問題だ。
「金融機関から先の“目詰まり”の解消は金融庁の役目であり、政府の仕事。金利の支払いが
1か月遅れただけで、不良債権になる今、銀行だって貸すわけがない」(同)
加えて、「日銀の資金調整能力は世界でも類を見ない」という。
「FRBでは、資金調整目標と結果に1500億ドルものズレが生じることも珍しくない。一方、
日銀は差額1億円未満まで合わせる。この “匠の技”(笑)が先輩から後輩へと受け継がれて
いる」(同)
しかし、日銀による金融政策に対しては真逆の評価も。駒沢大学准教授・飯田泰之氏は
解説する。
「先進諸国の中央銀行の中で、『2%のインフレ』なり、『4~5%の名目経済成長率』なり、
“安定的な経済”の目標もなく金融政策を行っているのは日銀くらい。『金融機関の資金需要
に応じてカネを出す』というやり方では、景気の行き過ぎを防ぐどころか、助長することに
なるんです」
そして、飯田氏もまた、「今の日銀は“物価の安定”をめざすだけの組織」と指摘。今さら
日銀が単独でデフレを克服する金融政策を実施するのはもはや難しいとも。'00年のゼロ金利
解除、'07年の量的緩和解除、昨年頭のゼロ金利解除と、いずれもデフレ下にも関わらず、
金融引き締めを行ってきたというのが、その理由だ。
「今さら日銀が『デフレを容認しない』と言ったところで、マーケットは信用しませんよ。
もう政府が“目標”を法律で定めるか、特別決議を通すしかない。そして、その“目標”の
達成を、日銀が独自の手法で目指せばいい」(飯田氏)
そして最近、「民主党内では『日銀の権限と責任の範囲を明確化しよう』という動きが
活発化している」(同)とかで、日銀と政府でひと悶着ありそうな……。日銀と政府、どっちで
もいいから、いい加減、効果がある景気対策をお願いしますよ。いや、マジで。
ソース
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)