10/01/24 18:35:04
去るも地獄、残るも地獄―。倒産した日本航空は、グループ社員約1万5000人(本体
4000人)の人員削減に踏み切ることになる。
ある人材派遣会社のトップが言う。
「転職市場は厳しいのひと言です。何とか動いているのは年収400万~500万円クラスの
30代。40代、50代で専門性のない人はかなり難しい。この世代のJALのゼネラリスト
は年収も高いでしょうし、一部の人材を除けば転職市場では歓迎されません」
昨秋、都内の高級マンションを手放した30代日航社員がいる。夫婦そろって日航に勤務
していたが、夫人はひと足先に日航を辞めざるを得なかった。収入はガタ減りした。小学校に
通う子どもにはつらい思いをさせまいと「家が手狭になったから」と引っ越しの理由を説明
した。
50代社員は老後の計画が狂ったと頭を抱える。
「退職金が3分の1に減額されると聞かされました。更生終了後に残りが出るらしいが、
不安です」
倒産会社に勤務経験のある40代男性はこう言う。
「倒産直後に給与が下がることはなかったですが、いつまで現状が維持されるのか、毎日
ヒヤヒヤでした。そうなると新しいことに取り組めなくなるんです。余計なものに金を使え
ない。どんどん縮こまってしまいます。社内の人間関係もぐちゃぐちゃです。この上司に
ついていけば大丈夫という考えが根底から崩れます。ヒエラルキーの崩壊ですね。40代、
50代は特につらい。気付いたら、部下だったヤツが上司になっていたなんて日常です。
JALはエリート集団でしょうから、激変に耐えられない人も多いと思いますよ」
●「40、50代は職なし」「社内ヒエラルキー崩壊」
日本航空インターナショナルの年収は、平均年齢44.3歳で約670万円(地上社員、
09年3月期)。5年前は約820万円(平均年齢44.6歳)あったから、「減り続けて
いる」(日航社員)のは間違いない。しかし、この先、年収は減りこそすれ増えることは
当分ない。東京商工リサーチの友田信男上席部長はこう言う。
「常識的に倒産前と同水準の給与はもらえません。残業代やさまざまな手当が出なくなります。
しかもJALの場合は国の支援を受けながらの再生です。高賃金が経営難の一端でしたし、
賃金カットは当然です。同業のスカイマークと比べてみてください」
日航とは平均年齢が違いすぎるが、スカイマークの平均年収は約372万円(平均年齢31
.33歳)。国税庁の調査によるとサラリーマンの平均年収は430万円(44.4歳)。
日航は約670万円ある。さらなる年収減は避けられそうにないが、日航社員は捨て身に
なって再生に取り組むしかない。
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