10/01/24 16:42:07
クリスマスシーズンを迎えた苗場スキー場(新潟県湯沢町)。だが、ゲレンデにシュプール
を描くスキー客はまばらだ。中高年の姿が目立つ。イブの24日に苗場プリンスホテルに
予約が入ったのは全室の4分の1だった。
20年前―。苗場プリンスのイブの宿泊は、数カ月前に予約受け付けが始まると、また
たくまに埋まった。若者たちが四輪駆動車(4WD)で苗場を目指した。ゲレンデに流れる
のはユーミン(松任谷由実)の「恋人がサンタクロース」。1987年に公開された映画
「私をスキーに連れてって」はゲレンデの恋を描いた。
90年代前半に頂点を迎えたスキーブーム。苗場はその象徴だった。
苗場は61年、堤義明氏(75)の率いる西武グループが開いた。
日本オリンピック委員会(JOC)会長も務めた堤氏は冬のスポーツに力を入れ、苗場など
全国にスキー場を開いた。98年の長野五輪後、国際オリンピック委員会(IOC)の栄誉
委員に就いた。
だが2004年、グループに有価証券報告書の虚偽記載問題が発覚。堤氏は翌年、証券
取引法違反容疑で逮捕され、有罪判決を受けた。
西武ホールディングスは06年度、リゾート施設40カ所を手放した。このうちスキー場
11カ所は買い手がつかず、廃業に追い込まれた。
堤氏の動きと軌を一にするように、スキーブームはしぼんだ。苗場スキー場の08年度の
利用者数は127万人。ピークだった92年度の318万人の3分の1だ。上越新幹線が
開通した82年以前の水準に逆戻りした。苗場プリンスは今季から夏と冬だけの営業になった。
苗場は、06年トリノ五輪の男子スキー回転4位の皆川賢太郎選手(32)の出身地。
だが、皆川選手が小学生の頃に約20人いた地元のジュニアチームは今4人だけ。皆川選手の
母則子さん(55)が地元で約30年営むペンションも経営は苦しい。「当時、今のように
客が少なかったら賢太郎にスキーをさせることはできなかった」
ソース:asahi.com
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