10/01/18 23:36:20
>>2のつづき
■「将来は生活保護しかない」 親の扶養で暮らす非常勤講師も
「独文では食えない、ということはわかっていたんです。でも、いくらなんでも博士号を
取れば、貧乏でもどうにか生活していけると思ってました」と細谷さん。
博士課程修了者が博士号を持っているとは限らず、むしろ文系では少数派だが、細谷さんは
数年前、教授に勧められて留学したドイツで取得した。
なけなしの貯金がどこまで持つか、ほんとうに博士号を取れるのか……。不安と戦いつつ、
一日中机にしがみついていた日々を今も思い起こす。
が帰国当初、大学は1コマしか授業枠を与えてはくれなかった。ポストは年配の教員たちに
占拠され、若手が入り込む余地はない。
仕方なく貯金を食いつぶしつつ、研究を続けた。現在はどうにか週に5.5コマの授業を獲得
しているが、当然それだけでは食べていけない。授業の合間を縫って、予備校講師のアルバ
イトをしている。本業の研究の時間を割かれるのでつらいところだ。それでも年収は200万円
以下という。
現在、年金暮らしの母親と同居中。自身は国民健康保険はかろうじて払っているものの、
とても年金までは払えない。
「このまま定年まで勤められたとしても、将来は生活保護を貰うしかないでしょう」
前出の組合で委員長を務める松村比奈子さんによると、非常勤講師の中には健康保険すら
払えず、無保険状態の人も少なくないという。
都内私立大学などで非常勤講師を務める富山幸一さん(仮名・42歳)も、健康保険料は
払っていない。
「ずっと親の扶養に入っていました。電話を止められるくらい貧乏でしたから。今も被扶養
者かどうか、ですか?じつは怖くて親に聞けないでいるんです。
健康面については不安が大きいですね。かけもちで非常勤講師をしているので、移動時間
だけで1日に5、6時間取られることもある。若いころと違い、仕事と研究を両立がだんだん
きつくなってきています」