10/01/18 23:35:24
>>1のつづき
「ポスドクなんて、我々から見れば天国ですよ」
とため息をつくのは細谷伸治さん(仮名・40歳)。都内私立大学の非常勤講師で、専攻は
ドイツ文学だ。
無理もない。週に1コマ(90分の講義)につき、月額2万5000円。これが非常勤講師の平均
賃金である。
コマの数を増やすことでしか収入を上げることができない彼ら。最悪の場合、半期分の
仕事しか得られず、年収15万円という人もいる。しかも大学の講師職は、その専門性の高さ
ゆえ、職場の数そのものが多くない。
首都圏ほかの大学非常勤講師組合の2007年度アンケート調査によれば、専業非常勤講師
約600人のうち、ほぼ半数が年収250万円以下だ。
さらに、非常勤講師は原則として単年度契約のため、どんな理由で次年度の職を失うかわか
らない。予算の都合、カリキュラム変更など―。
大学側からすれば、人件費を抑えるうえでも、非常勤講師の存在はありがたい限りなのだろ
う。ある私立大学では、非常勤講師が担当するコマ数の割合は全授業の約6割。にもかかわら
ず、非常勤講師の人件費は全人件費の5%にすぎない。大学の授業は、無数の“パート先生”
によって成り立っているのだ。