10/01/10 19:33:11
オフィスビルや百貨店、ホテルなどが超高層ビル群をなす大阪・梅田。現在も新たな
ビルの建設工事があちこちで進んでいるが、高さが200メートルを超えるビルは
実は1棟もない。大阪市阿倍野区では高さ日本一となる約300メートルのビルが
9日着工する。こうした「のっぽビル」が梅田に見当たらないのはなぜだろうか。
「東京に比べるとビルの存在感がやや控えめですね」。東京都庁(約243メートル)を
筆頭に二百数十メートルのビルが林立する東京・西新宿の風景を見慣れた千葉市の
男性会社員(43)は梅田の空を眺め、こうつぶやいた。空中庭園展望台で有名な
「梅田スカイビル」の高さは173 メートル、2010年完成予定の「梅田阪急ビル」は
187メートル。周辺で一番高いのは「ハービスOSAKA」の190メートルだ。
大阪市内を見渡せば、府庁舎移転問題で注目された「大阪ワールドトレードセンター
ビルディング」(住之江区、256メートル)をはじめ、港区弁天町や中央区北浜に
高さ200メートル以上の高層マンションがある。14年には近鉄の「阿部野橋ターミナル
ビル」建て替えで、高さ日本一の超高層ビルが誕生する予定だ。
梅田のビル群が“頭打ち”になっている謎を解くカギは、北東に約10キロ離れた大阪
国際(伊丹)空港にある。航空機の安全のため、航空法が航路やその周辺の建物の
高さを制限しているのだ。
高さ制限は滑走路を中心にほぼ同心円状に広がり、半径4キロ以内は滑走路の標高から
45メートル以下。半径4キロから16.5キロまでは滑走路から50 メートル離れるごとに
1メートルの割合で高くなり、梅田のJR大阪駅の北側は170~180メートル程度、
南側は180~190メートル程度になる。
阿部野橋ターミナルビルは「当初計画では270メートル前後の高さだった」(近鉄秘書
広報部)。当時は高さ295メートルの制限区域にかかっていたためで、07年2月の規制
区域の見直しで「幸いにも対象から外れて、日本一の高さにできた」(同)という。
※続きます。
●図/航空法による大阪エリアの建物高さ制限
URLリンク(www.nikkei.co.jp)
●伊丹空港への着陸態勢に入る旅客機。奥は大阪・梅田のビル群
URLリンク(www.nikkei.co.jp)
◎ソース URLリンク(www.nikkei.co.jp)