10/01/08 20:20:21
日本マクドナルドなど大手ファストフードチェーンが、コーヒーの販売を相次いで強化
している。コーヒーを“呼び水” に、普段あまりファストフードを利用しない中高年層も
開拓。豆などの品質を高めながら、1杯当たりの価格が最低100円台と、専門店に比べ値ごろ
感を打ち出し、デフレ不況の中で大苦戦している「スターバックス」などから顧客を奪い
取る狙いもある。
■低価格+高品質
マックは昨年11月から、「カプチーノ」などコーヒーの新メニュー7種類を東京都内と福岡
県内の一部店舗で販売した。独自開発した機械でつくるエスプレッソベースの「キャラメル
ラテ」などで、価格は190~300円。専門店に比べ2~3割安いとしており、低価格をテコに
顧客の囲い込みを目指す。
これに加え、昨年8~10月に期間限定で実施した「プレミアムローストコーヒー(S)」を
無料で提供するキャンペーンを今月4~8日に実施するなど、コーヒーの味に対する認知度
向上に全力を注いでいる。
マックがコーヒー販売の強化を急ぐのは、先行してコーヒー類の品ぞろえと販売を強化した
米国マックの08年の飲料売上高が10億ドル(約920億円)増となるなど絶好調なためだ。日本
マクドナルドホールディングスの原田泳幸会長兼社長は「コーヒーは新規顧客を獲得するのに
不可欠で、お得感のある商品で市場を活性化させる」とし、日本でもコーヒーの販売を一気に
拡大させる方針だ。
マックに対抗して、「モスバーガー」を運営するモスフードサービスも、豆の品質を高め
ながら価格を220円に抑えた「プレミアムブレンドコーヒー」を昨年10月に売り出し、販売が
好調に推移しているという。
■見えない打開策
日本フードサービス協会によると、コーヒー店など「喫茶」業態の客数は昨年11月までに
16カ月連続で前年同月を下回るなど“大苦戦”が続く。節約のため外出を控える「巣ごもり」
現象に拍車がかかり、家でコーヒーをつくる消費者が増えたほか、マックなど「低価格業態
との競争に拍車がかかった」(ドトール・日レスホールディングスの星野正則社長)ためだ。
実際、スターバックスの既存店売上高は昨年11月までに12カ月連続で減少し、ドトールも
13カ月連続で縮小。さらに、販売苦戦が続いていた「アートコーヒー」を運営するアート
カフェは、外食大手のゼンショーに全35店を売却するなど、専門店は淘汰(とうた)の荒波に
さらされている。
販売巻き返しに向け、ドトールがポイントカード「Tカード」の導入などでリピーターを
増やす戦略を仕掛けるが、大幅な客数の増加にはつながっていない。マックなどファスト
フードとのコーヒー競争が激化する中で、専門店が“打開策”を見いだせていないのが実情だ。
ソース:Business Media 誠
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