10/01/04 17:30:37
名門私大の付属校開設が止まらない。少子化の中、優秀な生徒を早い段階で囲い込む
戦略の一環だが、受験勉強を経験しない付属校出身者の存在が大学全体の学力を下げて
いるという指摘もある。学力試験がない推薦入試による入学者も増え続けており、
浪人の末にやっとの思いで入学した在校生やOBからは「大学のブランドが低下する」
との声が出ている。
「ここ数年の早稲田はOBとして見るに堪えない。在校生に占める一般入試経験者の
比率が年々下がりっぱなしなのに、さらに付属校を増やすとは、一般入試組の受験生を
軽視するにもほどがある。新設した学部に有名タレントやアスリートを推薦で入学させて
注目されましたが、ブランド価値は確実に下がっているとしか思えない」
こう憤るのは早大政経学部のOB。指摘の通り、早大では従来の付属4校に加え、
新たに2校の開設を決定。推薦入試の増加もあり、この9年間の文系学部の一般入試
募集人員は50%近く下がった。
ライバル・慶応大も小中一貫校の開設を予定。都内の大学では中央大が2校の付属中を
新設するほか、法政や明治も従来の男子校を共学化するなど、生徒集めに躍起になっている。
ある有名私大付属校のOBは、付属校出身者についてこう語る。
「たしかに、文系学部では一部の付属出身者の学力は低かった。高校時の成績順に学部が
選べることから、人気学部と不人気学部の学力格差も激しかった。一方で、付属出身者は
人当たりが良く世渡り上手。定期試験やゼミ、就職はうまくこなしていました。ただ、
一般入試組の入学後の“劣化”も激しく、卒業時には付属出身者との差はなくなっていま
したね」
関西でも、関西大が小中高の一貫校、関西学院大が中高一貫校を新設。立命館大は指定校
推薦や高大連携特別推薦、ウェブ入試などを強化しており、一般入試比率は4割程度まで
下がると言われている。立命大OBは「付属校出身者については、立命が責任を持って
育てているので、まだマシですが、推薦の乱発は大学のレベルを落とすのでは」と懸念する。
この現状について、法政大教授で教育評論家の尾木直樹氏は「大学側は、付属校出身者の
学力不足は折り込み済み。しかし、彼らは強い愛校心を持っており、これが学内の活性化
はもとより、卒業後の結束や寄付金の面で大きな効果をもたらす。結果的に、卒業時の
成績のトップ層は付属生や推薦入学生が占めることも多く、メリットは大きいと思う」
と語る。
ただし、「勉強しなくても大学にいけるという“甘え”は大間違い。法政大も一部の
付属高校に対し、これまで90%以上だった推薦率を75%程度まで下げる代わりに
他大受験を認めた。各大学も内部進学のハードルを高める方策を模索しています」と
話している。
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