09/12/31 21:13:05
UFO、超能力、古代文明、都市伝説。今なら、2012年に人類が滅亡するというマヤ暦をめぐる
予言か。そんな衰え知らずの「世界の謎と不思議」に挑戦してきたのが月刊誌「ムー」(学研パブ
リッシング)だ。2009年が創刊30周年。荒唐無稽(こうとうむけい)な見出しが並ぶ雑誌だが、
科学への危機感や社会への不安ものぞく。その長寿の“謎”を調べてみた。
最新の「ムー」1月号の総力特集は、やはりマヤ暦関連の「2012年大予言」だ。近年の実売は
約8万部と健闘。編集長の三上丈晴さんによれば、若い女性の間のスピリチュアルブームや、鳩山
首相夫人の幸さんが対談連載していたことなども話題になり、微風ながら追い風が吹く状態という。
そもそもの雑誌の始まりは、学年誌「高2コース」で毎月特集していた“謎”に関する記事がウケた
ことだった。「ムー」の企画発案者で2代目編集長を務めた太田雅男さん(現・学研ホールディングス
顧問)はそう振り返る。「“謎”企画を一冊の雑誌に」と提案した。誌名は、伝説上の大陸とされる
「ムー大陸」からとった。
1979年に隔月誌として出発。創刊号の総力特集「異星人は敵か、味方か?」で8万部刷り、実売
約5万部だった。81年、月刊誌に。読み物中心に切り替えたことで「毎月1万部ずつ上乗せする勢い」
(太田さん)になり、実売は20万部まで伸びた。
宇宙人ネタや、ピラミッドの謎、ヒトラーもの、「○○大予言」という記事が、誌面を飾った。読者の
中心は高校生と大学生。アメリカで、近代科学と東洋思想を結びつけようとしたニューサイエンスが
盛んになっていた。
部数急伸の背景について、4代目編集長だった土屋俊介教養実用出版事業部長は「幼少期に
冷戦や公害を経験した世代は科学万能主義に行き詰まりを感じていた。その風潮にポコッとハマ
った」。現代文明に対する若者の危機感を上手にすくい取ったのだ。
※続きます。
asahi.com 2009年12月31日20時56分
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▽1979年に発行された「ムー」創刊号の表紙(画像)
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