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日本製の携帯電話が海外でヒットの兆しを見せ始めている。経済成長とともにケータイ
が急速に普及している中国を中心に、人気上昇中だ。2000年代初め、日本メーカーは
続々と海外参入を図ったが、国内で人気の源泉だった高機能が仇(あだ)となり、撤退を
余儀なくされた苦い過去がある。過去を乗り越え、海外開拓を目指した新たな挑戦が始ま
っている。
「液晶がきれい」。2009年7月、中国・北京のホテルで開かれたシャープのケータイ
新製品発表会。映画「レッド・クリフ」の主題歌を歌った人気歌手アランさんが壇上で
シャープ製ケータイの魅力を語った。
シャープは08年夏に中国市場に初参入。日本でヒットした「アクオスケータイ」を持ち
込んだ。4千元(約5万5千円)以上と高価格ながら同価格帯での販売ランキングで、09年
3月から11月まで34週連続トップ2にランクインした。
人気の要因はその高機能だ。「亀山モデル」で中国でもブランド認知度が高い高精細な
液晶を搭載。画面が90度回転し、横向きになる独自のスタイルも受けている。
ヒットの予感はあった。参入前からインターネット上では日本でシェア1位のシャープの
ケータイが話題になっていた。市場調査したところ、ケータイに興味がある層はネットを
駆使する層と合致した。
中国ではネットから人気に火がつくことが多い。特に「アフター80世代」と呼ばれる、
80年代以降に生まれた裕福なネット世代が人気を牽引(けんいん)する。「日本で人気の
商品を早く知りたいという傾向が強い」(シャープ)。市場は“日本標準”を欲していると
読んだ。
「iモード」をはじめとしたネットサービス、高精細なカメラ…。日本のケータイは
「世界の先端を走ってきた」とは、業界の共通認識だ。しかし、世界市場では、通話と
ショートメールのみの低価格機種が主流。日本製ケータイは異端の存在だった。
だが、今後は中国などアジア地域でも大容量のデータをやりとりできる「第3世代」の
通信方式が始まる。携帯電話の普及が一巡すれば、次に求められるのは「機能」であり、
これが日本製にスポットが当たり始めた背景だ。
「徹底的に最先端、高品質にこだわったことを中国の消費者にお伝えする」。昨年7月の
北京での発表会で、シャープの担当者は力を込めた。固有の動植物が生息する太平洋上の
島になぞらえ「ガラパゴスケータイ」と揶揄(やゆ)されてきた日本のケータイ。島の
外に生息の場を求め始めた。
ソース:MSN産経ニュース
URLリンク(sankei.jp.msn.com)