09/12/25 22:27:42
パナソニック株式会社エナジー社は、ノートPCや電気自動車の長時間駆動を実現する高容量
リチウムイオン電池の新技術を発表した。
同社では、直径18mm、高さ65mmの18650サイズのリチウムイオン電池において、12月18日に、
量産品として3.1Ahの製品を発表しているが、今回発表したのは、同じ18650サイズのリチウム
イオン電池で、ニッケル系正極を進化させることで、3.4Ahを実現した電池と、ニッケル系
正極を用い、さらにシリコン系合金負極を採用することで、4Ahの高容量化を実現した電池の
2製品。3.4Ah電池は、「2011年度の早い段階で量産化したい」(パナソニック エナジー社の野口
直人社長)としたほか、4.0Ah電池は2012年度の製品化を目指すという。
3.4Ah電池では、プロセス革新の取り組みにより、3.1Ahに比べて、エネルギーを11.2Whから
12.2Whへ、エネルギー密度を675Wh/Lから730Wh/Lへと10%高エネルギー化。2.2Ahに比べてエネ
ルギー率を55%も向上しているという。
「高容量かつ充電状態で安定した材料を開発することで、高容量、軽量、高耐久性を実現した。
充放電回数が増えても、高い容量維持率を維持でき、コバルト系正極に比べて、2倍以上の耐久性を持つ」という。
実用化検討中の電池モジュールに適用することにより、家庭用太陽光発電(PV)や燃料電池向けの
蓄電システム、電気自動車(EV)用電源などにも応用できるとしている。
また、2012年度の商品化を目指す18650サイズの4.0Ah高容量電池は、負極にシリコン系合金を採用
したシリコン系材料技術と、プロセス技術により、充放電繰り返し時の合金負極電極群の変形を解消した。
現在、ノートPCの半数以上に採用されている2.2Ahのリチウムイオン電池に比べて、同じ仕様であれば、
2倍近い連続駆動時間を実現、またはバッテリのスペースを6セルから3セルへと半分にできる。
ただし、現在Let'snoteでは16時間の連続駆動時間を実現しているが、単純計算でこれを2倍近く
まで延長できる計算になるが、これはあくまでも同じ仕様というのが前提。商品化される2012年度
に求められる仕様がそのまま当てはまるわけではない。
パナソニックでは、これらの技術に関して、同社では国内337件、海外136件の特許を出願しているという。
URLリンク(pc.watch.impress.co.jp)