09/12/25 16:28:06
歳末商戦もラストスパートの中、家電量販店が激しい値下げ合戦を繰り広げている。
冬のボーナスは未曾有の低水準だっただけに「１円でも安く」が消費者の心理。
それを受けて量販店では「交渉次第でどんどん値下げが期待できる」（専門家）という。
そこで、人気のブルーレイディスク（ＢＤ）レコーダーをどこまで値切れるか、
挑戦してみた。
対象商品はパナソニック製ＢＤレコーダー「ディーガＤＭＲ－ＢＷ７７０」に設定。
「シンプルで安い機種が人気の中、高機能でもよく売れる珍しいモデル」（ＩＴ
ライター）だ。多くの家電量販店が値引き前価格を１２万円前後で掲示しており、
値切りのハードルは高そうだが、あえてターゲットにした。
勢い込む記者を前に、ある家電マニアは「量販店を回るより、ネットの『カカクコム』の
店が一番安い」と指摘。たしかに、最安値は送料無料で８万２０００円前後と安い。
早くも寒空の下での量販店回りが面倒になってきたが、それでは記事にならないので
交渉の旅へ出かけることにした。
まずは電気街に出かける。老舗店の担当者にカカクコムの値段を告げると、
「９万５０００円で、ポイント１５％（実質８万７５０円）を付けましょう」と、
いきなり安値更新だ。だが、近くの巨大新規店は「９万７０００円、ポイント２０％
（同７万７６００円）」で、値札の段階ですでに安い。担当者は「別の機種は１日で
２００台出て売り切れた。在庫は少ない」とあおる。さらに値切ると「必ず買うなら、
限界の値段をご案内しましょう」と“瀬戸際外交”に打って出た。
ここで決着するわけにいかないので、電車で１５分の場所にある別の繁華街に。
某量販店の本店では「１０万２８００円で２０％（同８万２２４０円）。これ以下だと
原価を割る」と電気街とはまったく異なる説明だ。約３００メートル先のライバル店も
実質８万３８４０円。「電気街や別の繁華街はもっと安いぞ」と詰め寄ったが、店員は
「それは地域性の問題で…」と応じなかった。
さらに電車で６分の別の繁華街に移動。老舗と新規店が対峙する都内屈指の激戦区だ。
ネットの掲示板には、「老舗店が８万５０００円でポイント２８％（６万１２００円）
だった」との仰天情報があった。早速、売り場担当者に尋ねると「その値段だったら
私も欲しい。ネットの情報は信用に欠けるので一切、対応できない」とつれない答え。
だが、粘りに粘って「８万５０００円、２０％（同６万８０００円）」の言質を取った。
その一言を胸に約５０メートル先の新規店へ。「向こうはこの値段だった」と責任者
らしい店員に当てると、即座に電卓を叩き「うちは９万円だが、ポイントを２５％付け
ましょう」。実質６万７５００円で５００円安い。その場で購入を決断した。
店を回ったのは先週の週末だが、２４日にネットで調べると、価格はさらに下がっていた。
情報収集と交渉次第では実質６万円を切ることを夢ではなさそうだ。家電評論家の戸井田
園子さんは「昨年までは競合店でも値段はほぼ同じだった。しかし今年は、池袋にヤマダ
電機ができた影響で、他店も値下げして競争が激しい。責任ある立場の店員に他店や
ネットの値段を提示し、買うことを前提に交渉すれば、誠意を持って値下げしてくれる
でしょう」と話している。
◎ソース
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