09/12/08 21:30:46
>>1のつづき
こうした「ネガティブ・スパイラル」の危険性を、自動車メーカー、ティア1、
ティア2、ティア3は「ある程度は承知」している。だが、「なんとか軟着陸できる
はず」という曖昧な観測を持っているように思える。
世界自動車産業を同時多発的に取材している筆者には、今回のネガティブ・スパイラル
は日本自動車産業界関係者の想像を遥かに超えるスピードで展開すると思えてならない。
ハッキリ言ってしまえば、日本国内の自動車製造業は、近年中に消滅すると思う。
それを回避する方策は現状では見当たらない。すでに、中京地方のティア2、ティア3で
は、自主廃業や自動車産業以外への転業が始まっている。それは、彼らにとって長きに
渡る取引先だった、ティア1や自動車メーカーから「将来は保証しかねる」と告げられて
いるからだ。
仮にこの予測が的中して国内自動車製造業が死滅した場合、代わりとなる産業は
あるのだろうか。次世代太陽光パネル、(リチウムイオンに代わる)次々世代二次電池、
携帯電話などポータブル通信機のハードウエア/ソフトウエア、東京ファッション…、
そうした代替産業のどれもが、現状の自動車製造産業と比較すると、事業規模があまり
にも小さい。
「デフレ・スパイラル」だけでなく「(自動車産業界の)ネガティブ・スパイラル」
にも巻き込まれてしまった日本。その厳しい現実を日本人は直視すべきだ。
-以上-