09/12/07 14:57:55
特殊な光を当てるだけでカシミヤの純度を測定する技術を、岩手県立大の研究チームが
開発した。
テラヘルツ波という電磁波で分子レベルの振動を起こし、羊毛などの混入を瞬時に
見分けることができるという。「カシミヤ100%」をうたった製品が本物かどうか
など、鑑定の切り札として注目される。
同大の倉林徹教授(52)(電子工学)によると、テラヘルツ波を繊維に照射すると、
分子レベルの振動波が生じる。素材によって波長や強さが異なり、人間の指紋のように
識別可能という。倉林教授らは、大手流通会社からの依頼で研究を開始。カシミヤや
羊毛、綿、アクリル、ナイロンなど約30種類を調べ、それぞれ特有の振動波を
確認した。カシミヤに肌触りが似ている羊毛も、間違えずに識別できた。
カシミヤヤギのうぶ毛を織って作るカシミヤは、肌触りが良く、1頭から取れる毛量は
200グラム前後に限られるため、最高級品として取引される。
羊毛を混ぜるなど偽装表示が後を絶たず、業界では「生産量の4倍のカシミヤが
流通している」とも言われる。
カシミヤ製品の鑑定をしている「毛製品検査協会」(東京)は、製品から抜き取った
毛を一つ一つ顕微鏡で調べている。
1点につき1時間以上、費用も1万5000円以上もかかるため、鑑定を依頼する
卸売り・販売業者の負担が大きい。
課題は、長さ2メートル、幅1メートルもある装置の小型化だ。倉林教授は
「数十秒で正確な判定ができ、大幅なコストダウンにつながる。民間との共同開発で
小さな装置を作り、実用化を目指したい」と話している。
テラヘルツ波
テラは1兆の意味で、光と電波の中間にあたる周波数(0・1~10テラ・ヘルツ)を
持つ。約40年前、西沢潤一・元岩手県立大学長が人工的に作り出す方法を考案。
エックス線では識別できない火薬や麻薬、食品添加物の検査などへの応用も期待されて
いる。
ソースは
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)