09/12/06 10:42:18
■新政権が補正予算見直し
国の全額助成を見込み、県や鳥取大が米子市に染色体工学の研究拠点を設ける
「とっとりバイオフロンティア」事業で、国は4日、助成額を9億円とする方針を県に
伝えた。鳩山政権による補正予算の見直しで、県が当初求めていた26億円の35%に
とどまった。見直しで事業採択自体が危ぶまれていたため、平井知事は「道筋がついた」
と喜ぶが、施設建設費や今後の研究費にめどは立っておらず、県は今後、財源確保に
頭を悩ませることになりそうだ。
同事業は、鳥取大医学部の染色体工学技術を使い、新薬に対して人に近い反応を示す
実験用マウスの実用化を目指す。将来の新薬開発や遺伝子治療への応用も期待され、
県は2011年4月に鳥取大米子キャンパスに鉄筋6階建て、延べ2500平方メートル
の研究施設を完成させ、マウスの開発や実験用の最新設備を導入する予定だった。
財源に見込んだのが、文部科学省の「地域産学官共同研究拠点整備事業」。建設費
17億円、設備購入費9億円の計26億円が今年度、全額助成され、年明けにも着工
できる見通しだった。
ところが、政権交代後の補正予算見直しで、同事業費695億円のうち432億円の
削減が決定。〈ハコもの〉は原則凍結されたため、県と鳥取大は建設費を除き、設備
導入に伴う11億円で再申請していた。
県は今後、施設建設に向け、国の別の補助金を申請するか、県の予算を持ち出すか
などの対応を迫られる。担当者は「建物の規模を縮小せざるを得なくなる可能性もある。
鳥取大とよく協議したい」としている。
さらに、減額は研究費にも及んでいる。鳥取大は06~08年度、染色体工学の
研究費などとして、文科省の「都市エリア産学官連携促進事業」による助成金計2億
1000万円を受け取っていたが、同事業は政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で、
「廃止」と判定された。
県は来年度以降も数年間、毎年2億円の助成を見込んでいたといい、担当者は「すべて
の研究費がなくなるわけではないが、影響は大きい。廃止が決定すれば、研究費の
工面もしなくては」と頭を抱えている。
ソース:YOMIURI ONLINE
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