09/11/21 22:50:04
政府・与党は20日、日本郵政グループのゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の約300兆
円に上る資金を地方企業への融資などに活用し、地域の活性化に役立てる制度を創設する
方向で調整に入った。郵政以外にも政府や地方自治体、地元金融機関が出資してブロック
別ファンド(基金)を設立し、地方にお金を還流させる案を軸に検討する。国民新党を
中心に議論しており、今後、民主党と詰める。来年の通常国会に基金の設立などを可能に
する法案の提出を目指す。
郵便貯金の約8割、簡易保険の約6割が国債の購入に充てられており、より効率的な
運用が課題になっていた。ファンドなどを通じた資金還流で地域経済の活性化に活用する
のが狙い。ただ、民業圧迫の懸念があるほか、国債購入の減少で安定発行に支障が出る
可能性もある。
巨額の郵政資金について、鳩山政権は「地域で集めた資金が国債に流れている」
(亀井静香郵政改革担当相)と問題視している。小泉政権の民営化でも、収益力強化の
ための運用多様化が課題となっていたほか、安易な国債引き受けにより、財政規律が
緩むと指摘されていた。
鳩山政権が検討している具体案では、地域活性化を目的としてファンドを地域ごとに
設立。民業圧迫を避けるため、地域金融機関にもファンドへの出資を求める。与党では
「競合するのではなく、協調しバッティングしないよう進める」(国民新党)としている。
出融資の対象としては、地場産業などの企業のほか、町づくり、福祉・教育ベンチャー
支援などを行う地域に根付いた「ご当地ファンド」と呼ばれる私募ファンドや地元企業の
株式を対象とした投資信託などを念頭に置いている。
地方債の購入は現在も行っているが、対象市町村を拡大することを検討。「現行の
法律でできない部分があれば改正して、(対象を)広げていきたい」(同)としている。
ただ、景気悪化で地方の資金需要は低迷しているうえ、金融機関の数が過剰な「オー
バーバンキング」の状態にあり、巨額資金が流れ込めば、地銀や信金、信組などの融資
機会が奪われる可能性がある。また、政府は税収の落ち込みで大量の国債発行を続け
ざるを得ない状況で、安定消化への不安から国債が売られ、長期金利上昇を招く懸念も
ある。与党内には制度創設に慎重な声があり、調整が難航する可能性もある。
ソース
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)