09/11/21 20:58:22
熾烈なグローバル競争を戦う民間企業は、やはり正しい結論を出す。ファンの方には
申し訳ないが、ホンダ、ブリヂストン、トヨタ自動車のF1からの撤退の話である。
「友愛」ばかりを語り何をしたいのか、イマイチよく分からない民主党政権も、たまには
正しい判断を下す。国策スーパーコンピュータの事実上の凍結の話である。
行政刷新会議の事業仕分けチームが11月13日に、文部科学省が推進する次世代スーパー
コンピュータ事業を「限りなく予算計上見送りに近い縮減」としたそうだ。事実上の
死刑宣告で、国策スパコンにとっては、まさに“13日の金曜日の悪夢”となった。
それに対して批判する意見が多いようだが、私はそうは思わない。以前「スパコンの
黄昏」で書いたように、国策スパコン・プロジェクトなど時代遅れと思っているからだ。
スパコンの黄昏では、こんなことを書いた。「今のIT産業の状況を考えると、そもそも
国策プロジェクトという発想が古い。そして、ベクトル演算方式のマシンも古い。
驚嘆するようなスピード技術であるのは認めるが、コンピュータがコモディティ化し、
グリッド・コンピューティングだ、クラウド・コンピューティングだと騒いでいる
ご時勢にあっては、恐竜の感は否めない。国の特注品で、特殊すぎて他のコンピュータ
製品への技術転用も不可能だ」
そんなわけで今年5月、プロジェクトに参画していたNEC、日立製作所、富士通のうち、
ベクトル演算方式での開発を進めていたNECと日立が撤退した。残った富士通が開発
するのは、複数プロセッサでの並列処理が前提のスカラー演算方式だ。これは今風の
マシンなのだから、なにも国家主導で開発を進めることはない。民間企業が商売のために
作ったマシンを、購入すればよいだけだ。
ソース:ITpro
URLリンク(itpro.nikkeibp.co.jp)