09/11/04 22:56:35
鳴り物入りで3カ月。月平均7千台余では、3.9世代までの“つなぎ”がとんだ重荷に。
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お寒~い数字が出た。社団法人、電気通信事業者協会が10月7日、発表した9月末現在の
携帯電話事業者別契約者数の統計で、KDDI陣営のUQコミュニケーションズが7月にスタート
させた「モバイルWiMAX」の契約者数(3カ月累計)が初めて明らかにされたのだ。
わずか2万1700件。月平均1万件にも満たない。WiMAXはインテルが主導する通信規格で、
クアルコムに席巻された第3世代と次世代(3.9世代)の過渡期を埋める規格として脚光を
浴びたが、まさにトホホの出だしである。
2年前は鳴り物入りだった。携帯で光ファイバー並みのデータ通信を実現する2.5ギガヘルツ
(GHz)帯の無線周波数免許をめぐり指定席二つを争って、ソフトバンク系、KDDI系、
NTTドコモ系、ウィルコムの4事業者が名乗りを上げた。激烈な争奪戦の結果、UQの前身と
ウィルコムに軍配があがった。
UQは今年2月からの試験運用を経て7月からモバイルWiMAXを正式にスタート、ウィルコムも
「日の丸ケータイ」ともいえる次世代 PHS(WILLCOM CORE XGP)の正式サービスを10月1日
から開始した。しかしウィルコムはそれに先立つ9月24日、産業活力再生特別措置法に基づく
「事業再生ADR(特定認証紛争解決手続き)」を申請、銀行団に返済猶予を申し出た。事実上の
白旗である。「サービスへの影響はない」というが、事業の引受先を探している(「NTTコムに
「ウィルコム救済」打診」参照)。
UQにも秋風が吹く。モバイルWiMAXは、最大受信速度が毎秒40メガビット(Mb)に達するだけ
に、ドコモやau(KDDI)など既存携帯の“ 鈍足”データ通信に不満を持つ携帯オタクやビジネス
ユーザーが大挙して乗り換えるかと思いきや、予想以上に低調な滑りだしなのだ。
■「つながらない」と不評
販売の最前線でも「パッとしませんね」(大手量販店の売り場担当者)と浮かぬ顔。2~7月の試験
運用中は約8千人のお試しユーザーを集め、正式サービス開始後も「今年度末には数十万人に
したい」(UQの田中孝司社長)という意気込みだったのに空回りしている。
最大のライバルともいうべきイー・モバイルが「100円パソコン」と銘打ち、回線とネットブックの抱き
合わせ販売で見た目の安さを演出、毎月数万件から多い月では10万件を超える契約を獲得して
いるのに比べ、いかにも寂しい。イー・モバイルの利用者からは「ユーザー急増でインフラが追い
つかないのか、都心部では下り毎秒数十キロビットなんてことはザラ」という声も聞こえるだけに、
UQがごっそりとさらえるチャンスのはずが、100円パソコン利用者には「2年間継続利用」の縛りが
あるだけにそれもままならない。
ソニーやパナソニックなど日本メーカーだけでなく、中国・台湾勢もWiMAXモジュールを内蔵した
ノートパソコンの販売を開始し、新しいデータ通信市場の恩恵にあやかろうとしているのだが、
低空飛行を余儀なくされている。せっかくWiMAX内蔵パソコンがあるのだから、UQもイー・モバイル
同様「100円パソコン」戦略で攻めるのかと思ったら、「100円パソコンのようなインセンティブ戦略は
考えていない」(UQの片岡浩一副社長)という。
(以下略。全文はリンク先へ。)
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