09/11/03 04:06:54
燃費が良く、ガソリン車並みの排ガス性能を持つ「クリーンディーゼルエンジン(DE)」
を搭載した乗用車の発売計画が相次いでいる。独ベンツやフォルクスワーゲン(VW)
など輸入車勢が来年中の導入を表明しているほか、国内勢も三菱自動車やマツダが
来秋から2012年にかけて発売する予定。一時はハイブリッド車(HV)に押され気味
だったが、エコカー減税や高速道路の料金引き下げが追い風になりつつある。
国内需要の刺激やエネルギー保障の強化などの効果が期待できそうだ。
エコカー減税上、クリーンDEは「ポスト新長期排出ガス規制の達成車」と定義されている。
窒素酸化物(NOX)、粒子状物質(PM)ともほぼガソリン車並みという厳しい規制で、
国産新型車への適用は今年10月1日から始まった。継続生産車や輸入車も来年9月1日から
順次、適用される。
欧州では乗用車販売の半分を占めるまで普及したが、年間走行距離が短く、長距離
移動の機会も少ない日本ではディーゼルの利点が生かせないとして各社は導入に
踏み切れず、現在のクリーンDE車は日産「エクストレイル」1車種のみ。ホンダ「インサイト」
などHVの低価格化も進み、クリーンDEは苦しい立場に追い込まれていた。
しかし、今年4月から始まったエコカー減税で、クリーンDEはHVとともに自動車取得税、
重量税の免税対象になった。「エクストレイル」の場合、減税分だけで20万4100円。
今年度限りの補助金を組み合わせれば最大45万円の補助を受けられる。月販目標は
100台だが「4月以降は月販200台で推移している」(同社)といい、来春にはAT車を追加する。
マツダも「エコカー減税が(投入)理由のひとつ」(金井誠太専務)と説明、話題の免税車が
店頭に並べば集客力の向上も期待できる。
国はクリーンDEの普及を目指している。DEは、液化技術を用いて天然ガスや石炭などから
作る「軽油代替燃料」を使えるからだ。すでに液化技術は実証段階に入っており、クリーンDE車が
普及すれば低燃費による二酸化炭素削減効果だけでなく、将来のオイルショックの影響を
緩和できる道も開ける。日本では「うるさい」「臭い」などのイメージが残るDEだが、経済産業省は
今後、業界団体とキャンペーンや試乗会を実施するなどして普及の地ならしに乗り出す考えだ。
ソース:日刊自動車新聞(gazoo) [09/11/02]
URLリンク(gazoo.com)