09/11/02 09:09:03
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パソコンや携帯電話に加え、電気自動車などの充電式電池の材料として、需要が急増しているリチウム。
その資源の8割が集中するとされる南米で、激しい争奪戦が繰り広げられている。
世界有数の電池生産国である日本も、獲得に躍起だ。チリの生産現場を訪れた。
チリの首都サンティアゴから北へ飛行機で2時間。第2の都市アントファガスタから、さらに車で
3時間ほど移動すると、5千メートル級のアンデス山脈のすそ野に延々と砂漠が広がる。
その中に、アタカマ塩湖が見えてくる。
広さは約3千平方キロ。鳥取県の面積に匹敵する。塩湖というが、表面に水がある場所は少なく、
ほとんどは砂まみれになった岩塩の固まりだ。
リチウムは、湖の地下十数メートルに潜んでいる。アンデス山脈の雪解け水などが岩塩層にしみこみ、
リチウム塩などを溶かして塩湖の底に流れ込むのだそうだ。
ここで操業するチリの大手企業SQMは、この水を約200本の井戸でくみ上げる。
サッカー場ほどの大きさの数十の蒸発池にため、約10カ月かけて天日で水分を蒸発させて濃縮する。
水は微妙に緑色を帯びている。水分が蒸発してリチウム濃度が高まるとともに、黄色みを増していく。
SQMの施設では約700人が働く。肥料の生産が主な事業だが、最近は「副産物」のリチウムにも
力を入れる。リチウム濃度が6%になると、アントファガスタ近郊の工場に運び、不純物を除いたあと、
最終製品である炭酸リチウムや水酸化リチウムを製造している。
アタカマ塩湖は標高約2300メートルの高地だが、かつては海だった。
アンデスの造山活動で隆起して海が干上がり、リチウムなどがたまったらしい。年間で雨が降るのは
数日というカラカラの気候も生産を助ける。
SQMの担当者は「鉱石から製錬する方法と違い、我々は水をくみ上げて太陽が照るのを待つだけ。
エネルギーはほとんどいらない。コストが安く、私たちはとても恵まれている」と話す。
SQMは「15年には(燃費の良い)ハイブリッド車、電気自動車の約50%がリチウムイオン電池を
使う」とみる。昨年、炭酸リチウムの生産量を年3万トンから4万トンに増やした。さらなる増産も
可能だ。同じアタカマ塩湖で操業するドイツ系のケメタルも増産の方針だ。
-続きます-