09/10/25 11:11:44
下水道やボイラーの清掃、高層ビルの窓ふき、厳寒の荒海でのカニ漁。
「汚い」「危険」「きつい」とされる仕事の数々を取り上げる米ディスカバリー
チャンネルの番組「Dirty Jobs(邦題・突撃!大人の職業体験)」が、
不況下であらためて注目を集めている。
番組では毎回、ホスト役のマイク・ロウ氏がそれぞれのプロに同行し、現場で仕事を
体験する。4年前、「何か目新しいテーマを」との発想から生まれたDirty
Jobsは、いつの間にか200回を超え、同チャンネルの看板番組のひとつとなった。
最近は特に、経済情勢の影響で働くことの価値が見直され、それが新たな人気に
つながっているのではないかと、ロウ氏は話す。「説教くさい教育番組にする気は
最初からなかった。世相のほうが番組のテーマに追いついてきたともいえるのでは
ないか」
快適な生活の陰には、だれもやりたがらないような仕事に汗を流す人々がいる。
それを紹介するのが番組の狙いだが、同氏は「良きにつけ悪しきにつけ、ステレオ
タイプだけは避けようと心がけてきた」と強調する。「働く人々を英雄に仕立てたり
しないし、笑いものにもしたくない。この2つは、リアリティー番組が陥りがちな
代表的な落とし穴だ」
番組の中で笑いをとるとすれば、それは自分の役割だ、と同氏は語る。慣れない
仕事に四苦八苦し、ミスをしでかす同氏の姿を笑いながら、視聴者はその仕事を
毎日続けるプロの偉大さを思い知る。
印象的なのは、きついといわれる仕事のプロたちも、ほかの仕事については
「決してやろうと思わない」と口をそろえることだという。「橋のメンテナンスで
危険を冒している人たちと話したら、『カニ漁の船なんかによく乗ったね』と言われた。
そのカニ漁では、『炭鉱に入るなんてよくやったね』と感心された」と笑う。
これまでに体験した中で最悪の仕事はどれか、とよく質問を受ける。
「リストの上位にだいたい20前後が並んでいて、その中で常に順位が入れ替わって
いる」というのが、ロウ氏の答えだ。「純粋に汚れという面では、木炭作りや
ボイラー清掃。帰宅後3日たっても汚れはすっかり落ちない。あとは、下水の中を
まさに泳ぎ回る、処理技術者の仕事もある」―危険を感じたのは、橋やビルなどの
高い所に上る仕事だ。最近の撮影では、高層ビルの窓ふきにカメラマンが同行を
拒否するという異例の事態も生じた。
米経済が急激に悪化した昨年以降、ロウ氏は番組での体験から学んだことを
なんらかの形で生かしたいと考えるようになった。今年9月のレーバーデー
(労働者の日)、自身のウェブサイトに「良い仕事とは何か、米国人は今こそ
考え直してみるべきだ」と呼び掛けるビデオを掲載。これをきっかけに、
求人情報の提供や労働者同士の情報交換のためのサイトを新たに開設した。
「サイトや番組を通して、きつい仕事にも価値を見いだせる人々が増えることを
願っている」という。
●公式HPより
URLリンク(www.josup.com)
◎YouTube--ディスカバリーチャンネル『Dirty Jobs』
URLリンク(www.youtube.com)
◎Discovery Channel--Dirty Jobs
URLリンク(dsc.discovery.com)
◎ソース
URLリンク(www.cnn.co.jp)