09/10/15 23:12:30
ドル・円相場は2010年後半から11年にかけて1ドル=50円前後までドル安・円高が進む-。
三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、その理由を米国経済の悪化と
ドルの中長期的な下落が重なる中、1944年のブレトン・ウッズ協定から続くドル基軸体制が崩壊するためと言い、
世界経済はブロック化に向かうと指摘している。
宇野氏はインタビューで、10年周期の米景気は「過剰消費や金融バブルの後遺症から、
2011年にかけて一段と悪化する」と語り、ドルは対円で5年ごとに底値をつけるため「次は来年になる」と述べた。
エリオット波動理論に基づくと、ドル・円は戦後最安値を更新し、「ニクソン・ショック後の約40年間にわたる
ドル安の大底に向かうだろう」と言う。
外国為替市場では、米国発の金融危機と景気悪化に対するオバマ米大統領らの景気刺激策に伴う
財政赤字拡大や、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長による金融緩和を背景にドル安が進行した。
インターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は14日に一時75.339と、08年8月以来の安値をつけた。
金相場は過去最高値を連日更新。ニューヨーク原油先物相場も約1年ぶりの高値に達した。
ドル・円相場は1月21日に87円13銭と、95年7月以来13年半ぶりのドル安・円高水準を記録した。
いったんは100円前後まで戻したが8月からドル安が再燃し、今月7日には88円1銭をつけた。
相場は、戦後のドル最安値である95年4月19日の79円75銭までに10円程度とドル売り圧力が強まっている。
・エリオットの第5波
宇野氏のエリオット波動分析に基づくと、ドル・円相場は40年近い下落の第5波目にある。
ニクソン米大統領(当時)による71年8月の金・ドル交換停止の発表後、12月のスミソニアン協定で
ドルが主要通貨に対して切り下げられるまでの1ドル=360円から、急落に歯止めがかかった73年3月の
254円45銭までが第1波のドル安。第2波のドル反発局面は75年12月の306円84銭までだ。
第3波は85年9月の「プラザ合意」を経て95年4月の戦後最安値79円75銭までの19年以上にわたるドル安基調。
第4波は米国を中心とする金融バブルが崩壊する直前の07年6月(124円13銭)に至るドル高・円安。
現在は、第5波のドル下落過程にあるという。
宇野氏は四半期データを基に、73年3月までの第1波(ドル安)の下落幅を約92円と算出。
第5波の起点となる07年4-6月期の123円17銭から、この92円にフィボナッチ級数の1つ0.764を乗じた値を
差し引くと50円強という目標値が得られると解説した。
(>>2以下に続きます)
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)