09/10/12 00:56:38
関西空港開港に伴う過剰な基盤整備などで財政状況が悪化し、「早期健全化団体」に指定された大阪府泉佐野市が、
このままでは2012年度にも財政破綻(はたん)し、国の管理下に置かれる「財政再生団体」に転落することが、
同市の試算で分かった。
同市は人件費カットなどで転落を避けたい考えだが、回避に必要な、歳出削減と歳入増を合わせた収支改善額は、
一般会計の約1割に相当する36億円にも上っており、「第2の夕張」が現実味を帯びてきている。
市によると、1996年度に建設した総合文化センターなどの借金返済が本格化するのに加え、
関空関連事業の宅地造成事業会計が抱える債務約65億円の解消に「第3セクター等改革推進債」を発行して
一般会計で返済することから、来年度からは公債費が急増。ピークの13年度には今年度の1・4倍の85億円に
達する見通しだ。
公債費の増加で歳出が大幅に増え、同市は、このままでは12年度の一般会計の赤字は78億円となり、
赤字割合を示す「実質赤字比率」が再生団体転落の基準(20%)を大幅に超える36・86%になると試算する。
市は今年度、財政健全化計画を策定し、12年度までに非常勤職員の活用など人件費抑制で
15億円の歳出削減を、遊休地の売却で4億円の歳入増をそれぞれ達成する予定にしている。
ただ、こうした施策を実施しても転落回避に必要な収支改善額に届かないため、
市は、3セク債の返済期間を通常の10年から30年に延長することで、今後3年間の負担を18億円軽減したいとしている。
しかし、国は「3セク債の返済期間は10年がルール」と通達しており、市の思惑通りに進むかは不透明だ。
市は「3セク債を発行しなければ、ほかの指標でいずれ再生団体に転落するだろう。転落を避けるには、
3セク債の返済期間を延長するしか方法はなく、国の理解が得られるよう努めたい」としている。
◇財政再生団体
財政状況が極度に悪化し、国の管理下で再建する自治体に対し、地方自治体財政健全化法に基づいて
国が指定する。現在は北海道夕張市のみ。泉佐野市は病院や下水道など関空開港に伴う基盤整備で
多額の借金を重ねており、再生団体一歩手前にあたる早期健全化団体に指定された21市町村のうちでも、
財政事情の深刻さは際立っている。
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