09/10/09 08:21:36
米消費者支援団体、全米消費者法センター(NCLC)によると、高齢者向けのリバースモーゲージ
(逆抵当ローン)が次のサブプライム危機につながる恐れがある。
◆強引販売に警鐘
ボストンを拠点とするNCLCが6日発表した「サブプライム再訪」と題する報告書によると、
信用力の低い個人向けの住宅ローンであるサブプライムローンを提供することで不動産ブームを
あおった同じ貸し手が、今回は高齢者をターゲットにしている。
報告書は、ローンを売り込むことで報奨金を得る仲介業者が潜在的な顧客に対し、誤解を招くような
勧誘を行っている可能性があると指摘した。
NCLCの賛同者で報告書作成にかかわったリック・ジャージェンズ氏は、リバースモーゲージが
高齢者向けであることを指摘。「乱用が目立ち、それがサブプライム市場から高齢者市場へ
移っていることは、特に大きな警鐘を鳴らす必要がある」と語った。
リバースモーゲージは、62歳以上の高齢者が持ち家を担保に融資などを受けられる仕組み。
借り手が死亡あるいは転居した際に住宅を売却することで貸し手は返済を受ける。
◆10万人以上が利用
米住宅都市開発省によると、2008年には10万人を超える高齢者が170億ドル(現在のレートで
約1兆5125億円)超の住宅資産を担保にリバースモーゲージを利用した。
マカスキル上院議員(民主、ミズーリ州)は、NCLC報告書の発表後、電話会見で「複雑な
金融商品と、社会で最も弱い立場にある人を対象とする積極的な売り込みという恐ろしい組み合わせだ」
と語った。
上院の高齢者対策特別委員会のコール委員長(民主、ウィスコンシン州)は電子メールによる声明で、
リバースモーゲージは一部の高齢者には適切とみられるものの、透明性と消費者保護が必要だ
とした。
コール、マカスキル両議員は6月、一部の貸し手がリバースモーゲージを「生涯所得」と偽って
販売しており、いわゆる抱き合わせ販売を禁止する法案を議会が08年に承認したにもかかわらず、
他の金融商品と一緒に販売しているとする報告書を発表した。
米通貨監督庁(OCC)のドゥガン長官も6月、米銀行協会(ABA)の会議で、
「リバースモーゲージは本当の恩恵を提供し得る一方で、最もリスクの高い種類のサブプライムローンと
同様の特徴も備えている」と指摘した。
(Alexis Leondis)
ソースは
URLリンク(www.business-i.jp)