09/10/14 09:24:21 xcauF7fy
>>485
シリーズレギュレータの損失が大きいのは、とっくの昔にわかっていることで、
そもそもシリーズレギュレータは考慮していないのだが…
ま、いいか、シリーズレギュレータを知ったというのは電源回路のスタートラインに立ったようなもの。
シリーズとスイッチングの違いがわかったと言うことを賞賛しよう。
シリーズもスイッチングも低電圧電源として使われるが、違いとしてはトランジスタの特性領域の使い方がある。
トランジスタは一般的には、アナログA級アンプのような変化する抵抗体(つまりボリューム)としての使い方と
デジタル回路で使われる飽和領域を使用したスイッチング素子としての使い方がある。
シリーズレギュレータはトランジスタを変化する抵抗として使い、わざと電圧を熱に変え
必要な出力電圧にまで下げる。たとえば12Vの電圧が必要なときは、15V程度の電圧を入力して
3V分の電力を熱にして捨てるのである。入力電圧が18Vならば6V捨てなければならないことになる。
スイッチングレギュレータは飽和領域を利用して、高速でON/OFFする。このとき、ON時間とOFF時間の
割合を変えることで、出力に送る電力を調整して必要な電圧を維持する。
スイッチングレギュレータがシリーズと比べて効率がよいのは飽和領域を使用する点にある。
たとえばONのとき、トランジスタ内の抵抗は最も小さい状態になっている。電力は素通りして
トランジスタでは電力を殆ど消費しない。
OFFのときは切れている。電力は全く送られないから、やはり消費しない。
ただ問題なのはONーOFF切り替えの瞬間で、切り替えの瞬間にはアナログ領域を通過することになる。
そのとき電力が消費されてしまう。
上で富士通がHEMTという超高速トランジスタを使ったのは、この超高速でアナログ領域を
少しでも早く通り過ぎるためなのである。また、ほかにもいろいろとロスする要因はあるがそれは省略する。