09/10/01 11:53:44
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藤井裕久財務相は就任後2週間にも満たないうちに日本株式会社のまゆをひそめさせた。
これは良いことだ。
日本の新財務相が円安を支持しないというのだ。ウインクや首の振り方、机の下での握手などが
幅を利かせる外国為替市場で、この発言はルービン元米財務長官の「強いドル」発言並みのインパクトを
持つ。さらに、藤井財務相の見解は日本とアジアの未来にとって正しいものだ。
短期的には大打撃かもしれない。日本はリセッション(景気後退)から抜け出そうとする世界の中で
純輸出国だ。自国通貨相場の押し下げこそは最優先課題だと思われるだろう。
しかし、藤井氏の円に対する姿勢で、世界2位の経済大国である日本はこれまですがりついてきた
開発途上国のような政策から抜け出せるかもしれない。
中国は、経済成長と株式相場上昇にもかかわらず、いざとなれば国内の貧困を訴えて人民元を
押し下げることができる。一方、いくら今回の危機で格差が拡大しているからと言って、日本が貧困を
持ち出すのは難しい。日本の円安政策はアジアの隣人に影響を与えるということにそろそろ気付くべき
ときだ。
域内最大の経済大国が自国通貨安を目指すなら、韓国やシンガポールがそれを控える理由は何もない。
中国や韓国、タイの当局は今までに、日本が円高を容認すれば各国も為替管理を緩やかにすることが
政治的に容易になると主張してきた。
◆一喜一憂するな
アジアはこのような転機を迎えようとしているかもしれない。野党に転じた自民党ばかりか政権を握った
民主党からも、輸出企業を支えようという声が上がるだろう。円高が競争力低下を招いて収益の足かせに
なれば日本が世界の回復から取り残されかねないという議論が出るだろう。
8月の日本の輸出は前年同月比36%減と11カ月連続の減少。円高がパナソニックやトヨタ自動車など
超有名企業にも影響を与える一方で、韓国のサムスン電子などはウォン安を追い風に利益を拡大している。
しかし世界を見れば、2008年に世界最大の輸出国だったドイツでは、企業はユーロ高に
文句を言うことに、それほどエネルギーを使わない。
オニール元米財務長官の02年の発言は日本にとって参考になるかもしれない。ブッシュ政権の
初代財務長官だったオニール氏は、優れた最高経営責任者(CEO)は為替相場に一喜一憂しないと
発言した。バブル崩壊から20年がたっても日本はまだこれを認められずにいる。
-続きます-