09/09/28 07:55:55
金融市場の改善に伴い、欧米の金融機関に巨額の損失をもたらした債務担保証券(CDO)市場
での取引が再び活発化してきた。企業債務を裏付けとするCDOの市場は6500億ドル
(約58兆2000億円)規模。
バブソン・キャピタル・マネジメントやゴールデンツリー・アセット・マネジメントなどが
安いCDOの投資対象を探している。
モルガン・スタンレーとJPモルガン・チェースの推計によれば、高利回りでリスクの高い
ローンや社債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を裏付けとするCDOは、年初から
約110億ドルが取引された。
世界の金融機関で計1兆6000億ドル規模の評価損・貸し倒れ損失計上につながったCDO取引は、
米連邦準備制度理事会(FRB)が金融機関支援で資産を買い取りバランスシートを2兆ドル余りに
倍増させたことを受けて増加。デフォルト(債務不履行)懸念が後退し、大恐慌以来最長の
リセッション(景気後退)から脱却する兆候が示されるなか、一部CDOの価格は5月以降に
3倍余りに上昇している。
ゴールデンツリーのパートナー、ジョゼフ・ナガー氏は「昨年9月のリーマン・ブラザーズ破綻
(はたん)をきっかけに実質止まっていたCDO取引が5月以降、非常に活発だ。企業の資本市場への
アクセスは劇的によくなった。CDOは裏付けとなる企業資産の改善に伴った動きを見せている」と
指摘した。
シティグループのアナリスト、ラトゥール・ロイ氏は、CDOの取引が復活し、価格が回復した
理由として、政府による銀行システム支援で流動性が増したことを挙げる。
昨年デフォルトしたストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV、投資目的会社)の
米ビクトリア・ファイナンスは25日、43億ドル規模のCDOを競売で処分。この競売が市場需要を
示す「重要なヤマ場」になるとみるロイ氏は「適正価格であれば、ほぼすべての種類のCDOに対して
リスク選好が増している。流通市場での取引高は大きく拡大してきている」と語った。
バブソンの仕組み商品チームの責任者マシュー・ナチャリアン氏によると、同社は4月以降、
2億ドル余りのCDOを購入したという。(Pierre Paulden、Shannon D.Harrington)
▽News Source FujiSankei Business i.on the Web 2009年09月28日
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